来ちゃいなよ。ゆざまち

遊佐は縄文遺跡たくさん!

2023-07-03

/ by kaori

 

遊佐町では宅地造成や道路工事などでどこかを掘ると、湧水、そして遺跡が出るんです!
湧水もたくさん♪、遺跡もたくさん♪~

先日もどこかを掘ると、「また出たんですよね、、発掘調査しないと、、工事が進まない~」(町役場の担当談)。

しかも大規模で重要な遺跡だったりするそのだそう。

 

現在建設中の高速道路も遺跡がありすぎて、どこを通ればいいのか悩んでルートを決めたという(驚!)

その高速道路周辺での遺跡調査の現場を撮影させてもらいました(写真)。「この辺りは平安時代の遺跡が出ている場所なので、他に遺跡がないか確認しています」

なぬ~、新しく造成する時に確認するのが大変な遊佐。

 

高速道路建設の過去記事はコチラからどうぞ 「日沿道」工事現場見学会

町には遺跡が200か所以上!その内、縄文時代のものが100か所あるそうです。鳥海山の山際に縄文時代、平野部には中世の遺跡が多く発見されています。

いにしえの時代から人々が暮らしていたんですね~。古来から住みやすい町、遊佐!

主な町の遺跡のマップ(遊佐町教育委員会 文化係)

重要な遺跡があるのがわかりますねぇ~

 

縄文時代といえば、「土偶」!
縄文時代といえば、「火焔型土器」!
この縄文2大スターが遊佐町から出土しているんです!遺跡好き&縄文好きは大興奮まちがいなしです!ス、スゴシ

 

土偶」と「火焔型土器」、「青銅刀子」を紹介します♪

土偶」出土の里、杉沢集落へ行ってみましょう。わくわく♪

町の南東部の鳥海山麓にある蕨岡地区の杉沢。

 

杉沢比山(熊野神社に伝わる番楽)の過去記事はコチラからどうぞ

山間部にある集落で、周りには田んぼや庄内柿の柿畑が広がっています。まだ新緑の柿畑。

秋になるとたわわに実ります。果肉が緻密でなめらか、甘くて美味しい庄内柿。干し柿も美味しいんです。

こちらの左側、山間部の斜面から出土しました。周辺にも縄文時代の遺跡があります。

元隊員の中島さんは、近くの遺跡発掘のお手伝いをしたそうです。土器の破片などがあったそうですよ。いいなぁ~発掘作業!

土偶 杉沢A遺跡 縄文時代晩期中ごろ
なんと実物は、奈良国立博物館に収蔵されています。土偶は石囲いの中に安置された状態で出土しました。あたかも人間を葬ったかのような土偶埋納はまれな例だそうです。

左の乳房と結髪の右半分の欠損以外、完成品に近い良好な状態で出土しました。(ほとんどの出土例は破壊され、身体の一部であることが多い。)

 

町ではレプリカを保管しています。(レプリカでは欠損部分を修復しています。)

特別に撮影時のみ、光が反射してうまく撮れなかったためガラスを外して頂きました。

横から見ると鼻が高いことがわかります。上を向いていたのね。

杉沢の土偶、かわいい~。洗練されたデザインです。

 

 

続いて、「火焔型土器」が出土した吹浦地区へ行きましょう♪

町の北西部、鳥海山麓にある吹浦地区。海と山が間近にあり移住者にも人気の地区で、鳥海山ブルーラインの入口があります。

火焔型土器は、丸池様(SNSで映えると人気になった)の近くの柴燈林遺跡から出土しました。写真左の山間部の斜面です。周辺にも縄文時代の遺跡があります。

この山間部の上の方です。写真左の建物は箕輪鮭孵化場。牛渡川が流れ、孵化場の奥に丸池様があります。

牛渡川。水源は、鳥海山からの湧き水ほぼ100%。

秋には鮭が遡上してくる豊かな川です。

丸池様。丸池様の水源も湧き水100%。

 

過去記事はコチラからどうぞ 春の丸池様遊佐の鮭 鮭とば&寒風干し

火焔型土器」 吹浦 柴燈林遺跡 縄文時代中期
火焔型土器は、新潟県の信濃川流域で多く出土例があるという土器。他の土地との交流があったことが伺えます。

 

柴燈林遺跡の、土器の廃棄場と考えられる場所から出土しました。柴燈林遺跡からは1万点以上もの土器片、打製・磨製石器などが出土しています。

下半分の渦巻状の模様の他は欠損していて、復元されています。

 

この造形がやはりいいですよねぇ~!見れば見るほど他にはない、立体的なデザインで不思議です。生き物のようにも見えます。。

中学生の時に美術の陶芸で、これをモデルにテラコッタの花瓶を作りました(笑)。中学生ながらにもピンとくるものがあったんですよね~。

 

 

 

青銅刀子(せいどうどうす)」をご紹介♪

青銅刀子」 吹浦 三崎山A遺跡 縄文時代後期

同じ吹浦地区の三崎山から出土しました(秋田県との県境近く)。周辺に縄文、奈良時代の遺跡があります。町ではレプリカを保管しています。こちらも実物は、東京国立博物館に収蔵されています。

 

中国・シベリアなどでの出土例がある「オルドス型」といわれる刀子です。柄頭に付いていた環が欠損しています。

中国大陸で製作されたと思われる青銅刀子。(分析の結果、中国最古の王朝、殷(商)の時代の青銅器と同じ鉛の成分率であることがわかりました。)

日本列島において最古級の金属器とのこと!当時、大陸との交流があったことが伺えます。

 

出土地に近い三崎公園の過去記事はコチラからどうぞ

 

 

まだまだ紹介しきれていない遊佐の遺跡。小山崎遺跡(国指定史跡)を紹介したい・・・!しかし、遺跡の分量がありすぎて編集が追いつかない・・・縄文時代の約7,000年~2,300年前頃ものが大量に出土しているという。す、すごいです、遊佐町。

 

 

 

ここで、耳寄りな情報です!

現在開催中の展示で、「火焔型土器」と「青銅刀子」のレプリカがご覧頂けます!

 

『沓澤重吉氏・小松昌一氏 寄贈コレクション展』開催中( 4/28~12/28 旧青山本邸)

遊佐町に沓澤・小松両氏から、寄贈された遺跡の資料を展示しています。ぜひお立ち寄りください。(会場:旧青山本邸 第2展示館)

沓澤コレクション

遊佐町の高瀬、杉沢、吹浦、丸池、三崎山から出土した、土器や石器を展示しています。

「青銅刀子」が出土した吹浦 三崎山A遺跡から発掘した土器の展示があります。その土器が3か月後に発見された青銅刀子の年代を決める重要な資料となりました。

 

小松コレクション

遊佐町の吹浦、丸池、小山崎から出土した、土器や石器を展示しています。

町指定の有形文化財「縄文イヌ頭骨」の展示があります。吹浦遺跡からほぼ全身の骨が発掘されました。現代の柴犬のメスほどのサイズだそうです。

 

旧青山本邸の母屋では、夏仕様に展示替えがされています。合わせてご覧ください!

建具を夏仕様にし、掛け軸も替えています。のれんが涼しげです。

よく見ると、簀戸(すだれをはめ込んだ建具)のすだれ部分の節目が、斜めにきれいに合わせてあります。職人さんの丁寧な仕事に驚きです!

東土蔵の展示館 屏風などの展示が季節によって変わります。

 

旧青山本邸の過去記事はコチラからどうぞ 吉田清若人形芝居と船絵馬in旧青山本邸

 

 

◆旧青山本邸◆ 国指定重要文化財

遊佐町青塚の貧しい漁家に生まれた青山留吉が、北海道の漁業で功を成し、その財で故郷に建てた邸宅。

 

開館時間 9:30~16:30(入館は16:00まで) 冬期(12/1~3/31)10:00~16:00(入館は15:30まで)

休館日 月曜日(月曜日が祝祭日に当たる場合は翌日休館)、12/29~1/3

入館料  <個人>一般 400円 大学・高校生 300円 小・中学生 200円
◇◇◇◇,<団体>一般 350円 大学・高校生 250円 小・中学生 150円