来ちゃいなよ。ゆざまち

熊野神社の杉沢比山

2021-09-10

/ by kaori

 

蕨岡地区の杉沢にある熊野神社。毎年8月に杉沢比山が行われます。熊野神社に伝わる番楽で、もとは修験者が舞っていたといいます。(番楽:山伏が伝えた神楽のこと。太平洋側では山伏神楽、日本海側では番楽という。青森、岩手、秋田、山形の修験道の広まった山麓の村々に広く伝わっています。)

コロナ感染予防対策のため、8/15に神事が最低限の人数で行われました。(通常であれば8/6「仕組」、15「本舞」、20「神送り」と夜に舞が奉納されます。)過去記事はコチラからどうぞ 遊佐の夏!!杉沢比山!!

蕨岡地区は遊佐町の南東部の鳥海山麓にあり、古来より山岳信仰が発展してきた地区です。杉沢は山間部にある集落で、「杉沢土偶」が出土した遺跡があり、周りには田んぼや庄内柿畑が広がっています。

秋には庄内柿が色づきます。(撮影日2020.10/28)鳥海山も身近に見え、とっても景色のいいところなんです。

杉に囲まれて熊野神社があります。(撮影日9/7)

ここから見える角度の鳥海山、好きですねぇ。遊佐の人は写真を見ただけでどこから撮ったかがわかるそう。他の地区から見えない鳥海山の表情が見えて楽しいです。

神社前には庄内熊野川が流れています。

カワセミを発見しました!羽が青くてキラキラしていて綺麗でした(もっと大きいのかなと思っていたら意外と小さい)。

熊野神社はかつての「登山口蕨岡口」の一合目の位置にあります。修験者の入峰修行の二之宿となっていました。

一之宿は蕨岡の鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮で、上蕨岡は鳥海修験道で栄えた宿坊集落でした。往時は鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮から馬に乗り、駒止(熊野神社のさらに上の場所)まで列になる程登拝者があったといいます。(登拝者は宿坊に泊まり、白装束で登拝道をたどって御本社のある鳥海山山頂へ向かった。)

今では酒田市の鳥海高原ラインで湯の台口(標高1200m)まで行けるようになり、蕨岡口から登る人はいなくなりました。便利になりましたが、往時の蕨岡口ルート気になりますね。

蕨岡の過去記事はコチラからどうぞ 鳥海山大物忌神社の祭春です!蕨岡修験道ウォーク2021(開催中止)

杉沢比山は、数ある番楽の中でも洗練された美しい型や鮮やかな舞振りが芸術性が高いと評価され、国指定重要無形民俗文化財になっています。鎌倉時代頃から伝わっているとされているので700~800年位でしょうか。修験者がいなくなっても、杉沢の人たちで大切に続けられているんですね。

以前、女鹿や滝ノ浦でも舞われていたそうですが無くなってしまったそうです。女鹿では舞われていた日山番楽の面をアマハゲ(来訪神行事)で使用しています。アマハゲの過去記事はコチラからどうぞ 冬も怠けずに…アマハゲとはナニモノ?!

参加者の皆さんが拝殿内に集まっています。

18時半頃、神事が始まります。

そして今回「翁」の曲目が舞われました。長寿を祈る舞です。天地長久、五願円満、息災延命を祈って踏み鎮めをします。中世の能の要素が残っているそうです。本来拝殿前の舞台で行われる舞ですが、拝殿内で行われました。初めて見れて感激です!外の舞台での舞も、見てみたいなあ。

「翁」は舞の中で最も難しく経験が必要とされています。他の舞よりゆったりとし、中腰が多いそうなのでこれは体幹を鍛えられそうですね。衣装も他の曲目と違って立派で番楽より能に近いといいます。確かに能の衣装を見ましたが似ています。

色んな表情の翁が。面は見る角度によって表情が変化するように作られているそうです。道具一つをとっても奥深いですね。

ちょっとこの翁は楽しそうに表情が見えます。身近に伝統芸能を見れる環境があるということはかなり歴史の捉え方とか見え方が違ってくるのではと感じました。鎌倉時代とか能とか古典芸能がすんなり身に入ってきそう。

 

 

本来17~18分あるのですが、動画を少し撮ってみました。
太鼓、笛、銅拍子のお囃子、謡も素晴らしいです!杉沢比山では幕の後ろで奏でられますが、他の地域では横に出ているそうです。幕の色も白ですが、他地域では紺色が多いようで、それぞれ郷土色豊かで奥が深く気になります。

 

 

こちらは最後の方の部分です。曲調ががらりと変わり、ヤアデデデ、ヤアデデデ、テン、デン、デデデの掛け声の所が印象的です。虫の音も聞こえ、雰囲気が伝わればなと思います。

 

時を越えて伝わる舞、大変すばらしかったです!来年無事に舞が奉納されますように。