彫刻家 富樫一の作品
遊佐町民体育館の前に大きな石の彫刻があるんです。いい作品だなぁ~と石好きの私、前から気になっていました。
遊佐町出身の素敵な彫刻を造り出す、国際的に活躍をされていた彫刻家がいらっしゃいました。数々のスケールの大きな石の彫刻のモニュメント等の作品を創られています。
富樫一さん(1930~1982)
遊佐地区の白井新田集落、広野の生まれ。芸術家を志し、働きながら武蔵野美術学校彫刻科を卒業。
花崗岩の産地として有名な茨城県に移住。笠間市の芸術の村で、独学で学んだ石彫に専念します。
豪放かつ繊細な感覚を持ち、卓越した着想、独特の表現方法ですぐれた作品を各地に残しました。
国内外の美術展、コンクールにて数々の賞を受賞しています。
1961 第1回ユーゴスラビア国際彫刻シンポジウムに招待参加するなど(石彫部門 第2位 「闘い」)、海外でのシンポジウム等でも活躍されました。
最後の大作に「さくら大橋」があります(1979~1981年制作)。茨城県 筑波研究学園都市のメーンストリートに大彫刻群を2年がかりで制作。1トン~6トン位の白御影石50個で構成された集大成ともいえる作品です。石一つ一つを隈なく彫りつくした精力的なもので、その仕事ぶりは彫ることに生命を懸けて制作に励んだ彫刻家、富樫さんその人ならではと言える石彫群です。
ホームページはコチラからどうぞ https://hajimetogashi.com/
大地 (白御影石 1980年 1.5m×5m×1.2m)
遊佐町民体育館の竣工記念として制作した作品です。
石なのに滑らかな曲線で、柔らかさ、温かみを感じます。どうやって彫ったのでしょうか。
どっしりとしていますね。作品の雄大さを感じます。(※注 完成当時は真っ白だったんです。年月とともにコケ類か何か?が付着しています。)
アシンメトリーなデザイン。独創的なアイデアはどう発想されていたのでしょうか。
この波のようなカーブ具合に、繊細さと力強さを感じます。
広報ゆざの当時の記事を発見しました♪
富樫さんの作品は、日本・世界各地にありますが、遊佐には「大地」の作品のみ。
他に作品を見てみたいなぁ~と、遊佐まちづくりセンターで聞いてみました。
なんと、広野公民館にあることが判明!やったー!\(^o^)/ 広野の区長さんとレッツゴー。
ふくろうのテラコッタの作品がありました。彫塑もされていたんですね~。貴重な作品です!
区長さんに、他に作品はないでしょうか?と聞いてみたところ、ご親族の家に行ってみたらどうかとのアドバイス。
いざ、訪問~ (^^♪ こんにちは、作品はありますか??
「少ないですがありますよ」とのお声。やったー!\(^o^)/ ご親切にも見せて頂くことができました。
馬の塑像 今にも動き出しそうな躍動感がありますね!
ふくろうと人物の頭部のテラコッタ ふくろうがお好きだったのでしょうか。
富樫さんの写真。気に入っていた写真とのことです。
野外をアトリエとし、石との対話をしながら制作をされていたそうです。
二つの面。こちらは木の板で、壁に飾れるようになっていました。
猫ちゃんが寄ってきてカメラにイン♪ こんな所がほのぼのと、遊佐らしくていいです~。
他の作品はご家族が持っていらっしゃるとのことでした。
突然の訪問にもかかわらず、貴重な作品の数々の撮影をさせて頂きどうもありがとうございました!
遊佐町にお越しの際は、ぜひ体育館前の「大地」をご覧になってみてください。彫刻好きの方、オススメです!
子供たちが遊んでいるのを見ると、なんだか「大地」も喜んでいる気がします♪
出典・参考図書
『富樫一作品集』著者 / 富樫一、編集・発行 / 富樫一作品集刊行会 1994
『遊佐人名辞典』編集 / 遊佐人名辞典編集委員会、発行 / 遊佐町史編纂委員会 1996
『遊佐ゆかりの人々』著者 / 松本良一・菅原傳作、発行 / 遊佐町長 小野寺喜一郎 1998
『輝ける遊佐つくりびと』編集 / 遊佐町役場 企画課、発行 / 山形県遊佐町 2015