大学生が遊佐町で研究!食と祭
こんにちは、ぺいたんです!
雨の日が増えて、だんだんと夏の暑さが去っていく感じがするこの頃ですね。

さて、先日杉沢比山の記事を公開しましたが、実はその裏でとある動きが同時に進んでいました!
それは、東北芸術工科大学(略称:芸工大)の学生の研究調査。
女子栄養大学名誉教授で、研究のフィールドとして1996年から遊佐町に通っているという食文化の専門家、秋野晃司先生が東北芸術工科大学で講義を行ったことをきっかけに、松田俊介准教授(東北芸術工科大学歴史遺産学科)の研究室の学生2人が、卒論研究の一環として遊佐町を訪れてくれました。
2人はそれぞれ「上山を中心とした山菜取り」「花笠を事例とした地域の祭り」というテーマで研究を進めているとのことで、遊佐町の伝統食、伝統舞踊にも関心を持ち研究の参考にしたいということで遊佐町を訪れてくれたということでした。
┃笹巻作りに挑戦!
2日間にわたって行われた調査の最初は、笹巻作り体験。
秋野先生と親交が深いという阿部さんを講師にお迎えし、笹巻の作り方を教わります。


秋野先生によると、ちまきや笹巻などの包みものは魔除けの意味合いがあるんだとか。
また、より生活に根差した側面として、手をかけて作る包みものは、共同体や親族に食べ物を配って関係性をよくするお裾分け文化の中で貴重な役目を果たしていたということ。

後日いただいた笹巻。3つを一括りにしていました。こうすると持ち運びに便利そうですね!
学生の2人は、苦戦しながらも黙々と作業に集中し、伝統食の奥深さを体で学んでいました。


僕も一緒にやってみましたが、笹で手が切れそうな怖さもあり、繊細な指使いが必要で難しい!

笹巻作り体験後には秋野先生による和食文化のレクチャーも。
日本人の伝統的な食文化として平成25年にユネスコ無形文化遺産に登録されている和食。
登録に至るまでの裏話など、貴重なお話に耳を傾けました。

┃杉沢比山の迫力を体感
初日の夜は杉沢比山の神送りを見学。
学生の2人とも事前にYouTubeで映像を見ていたとのことでしたが、実際に演舞を見て、動画では伝わらないその場の雰囲気や迫力に圧倒されていた様子でした。

そして、前回の記事でも紹介したように、杉沢比山終演後の直会(なおらい)にお誘いいただき、秋野先生、松田先生、学生の2人も一緒に参加。

学生の2人は突然の機会に少し戸惑いながらも、舞台裏を写真に収めたり、舞い手の方に質問したりと積極的に情報収集をしていました。

普段は見ることができない、文字通り舞台の裏。
┃保存会の方にインタビュー
2日目は杉沢比山保存会の方2人へのインタビュー調査。

「手首の飾りの色が左右で違うのはなぜ?」「同じ衣装を別の演目でも使う理由は?」など、衣装の細かい部分にまで鋭い質問が飛び出しました。
ただ鑑賞するだけでは知りえないまた別の意味での舞台裏を知ることができ、学生たちの観察眼に感心するばかりでした。
┃遊佐に触れる若い力
2日間の実地調査を終えた学生たちは、満足そうな表情で遊佐を後にしました。
僕も調査を一緒に体験したからか、その様子を見てなんだか嬉しい気持ちに。
「研究」という切り口から遊佐の魅力に触れてくれる人がいることを知りました。

こうした地道なつながりが、遊佐を訪れるきっかけになっていくのだと思いました。
実は町外から若い世代が遊佐を目的地として訪れてくれていることを、みなさんにぜひ知ってもらえたら嬉しいです。