アマハゲとはナニモノ?!
あけましておめでとうございます!ついに平成が終わりますね。次の年号は何だろう?
今年も1月1日(滝ノ浦),3日(女鹿),6日(鳥崎)とアマハゲたちがやってくるということで、会いに行かなければ!!!と興味津々の坂部です。
今年はユネスコ無形文化財登録のうれしい報告もあり、注目の集まるアマハゲ。
前々から、アマハゲに会いたい!というお話をしていたところ、個人のお宅への訪問のため、本来であれば難しいところを今回は特別に、高橋敏夫さんという方のお宅にお邪魔させていただくことができました!
というわけで、1月6日、鳥崎地区で念願のアマハゲに初対面してまいりました!
アマハゲが各お家にやってくる前、地区のある神社で出陣準備をするということでなんと、こっそりその現場も見せていただきました。なんだか見てはいけないものを見しまうようなどきどき感。笑
暗い夜道を抜けていくと光の中にわなわなと人だかりが・・・
中に入ってみると、
ん??忍者???袴をきて頭にはぴったりとした被り物。これから、アマハゲに変身していくようです。
この上から”ケンダン”という編まれた藁を5枚くらい重ねてまといます。
かつては、この日に朝から小学生がこの藁を拾って編むまで一日がかりで行われていたそうです。
現在は子供たちも人手も少ないため、作り方を知っているベテランの方々が1月3日に準備します。
この”ケンダン”13キロくらいもあるんだとか・・・
雨が降ったり、濡れるとさらに重くなるそう。。これは体力が要りますね。。。大仕事だ。。。
一軒一軒周りお酒も振舞われたり、長い時間練り歩いたり激しいパフォーマンスをするため、20歳以上の若手の男性がアマハゲ役を担います。
昔は、18歳から25歳の独身男性と決められていたんだとか。
このアマハゲを18歳からできるというのが大人の仲間入りのようで、うれしく思ったと話す敏夫さん。
神社の奥に入っていくと、神棚にはお面が。
3地区のアマハゲはそれぞれ表情がまったく違います。鳥崎地区は人間と鬼の間みたい!
どうしても、りっぱなまゆげに目がいってしまう私・・・
3つお面があるのですが、全部顔が少しずつ違って、名前もそれぞれついているのです。
練り歩きながら太鼓とこんな籠も必須アイテムです。
太鼓をたたきながらアマハゲが近づいてきていることを知らせます。
そして、この籠には、訪れたお宅からお餅やお気持ちをお供えして入れてもらうのです。
さて、準備ができると、いざ、出陣です!
どどん!出陣前にワンポーズ。びしっと決まっています。かっこいい!!!
お面は三つですが5人で交代でつけて回ります。
私たちも出陣を見届けて急いで敏夫さんのお家へ戻ります。
お宅にお邪魔すると、アマハゲを迎える部屋にはこんな盛大なお正月飾りが!いろいろな神様の掛け軸がいっぱい!
そして、3段の手作り鏡餅やイカ丸々一つ!?アマハゲにお供えするお餅も。
こころよく迎え入れてくださり、4年前にユネスコに申請しやっと登録までこれたことをとてもうれしそうに話してくださる敏夫さん。
アマハゲを待っている間、アマハゲの歴史についても話しをお聞きしました。
アマハゲは、担い手不足のため一度途切れそうになったんだとか。
女鹿や滝ノ浦は、実際人手不足でできないと年も。
唯一、鳥崎だけは途切れることなく伝統を引き継ぎいで行われているそう。
人手は少ないですが、少しずつ形を変えて、何とかこの伝統を守らねばということで、現在までこうしてなんとか続いているそうです。
しかも、江戸時代から続いているそうで、お面も二代目。その2代目のお面も120年近い歴史があります。
なんと今回一代目のアマハゲのお面の写真を入手!赤じゃない!!真っ黒!!!一つは壊れてしまったそうで・・
角が短くて、表情が柔らかい?
昔は、壁の上のほうに飾って保管していたため、舞い上がる囲炉裏のすすをかぶって黒くなってしまったんだとか。
お面の名前の由来も、山の地域の名前にちなんでなずけられていて、今は山の神として知られたします。が、そもそもアマハゲはどうして現れたのか、一説には海からやってきたものが、山の洞穴に住み着いて、里に下りてきては発展した知恵を教えたのがはじまりとか。海から来た・・・・!?もしや外国人!?
真相はさだかではありませんが、なんだか調べると奥が深そう・・・
どんどん!外から太鼓の音が近づいてきます!
ついに、ぶぉー!!!!という大きな奇声とともに
アマハゲがやってきました!!!!
思っていた以上の迫力に私もあとずさり・・・笑
なんと”ぶぉー”と奇声を発してそれ以外は話さない!!そして、思った以上の高い声!!
子供を抱えて連れ去ろうとする迫力に子供たちも必死に抵抗。今年も一年いい子にしてるからゆるして~(号泣)
そんな、怖そうなアマハゲですかこんな一面も。
お年寄りには肩をもんであげて”長生きしてくれよ~”といたわります。
心は優しきアマハゲなんですね。
ひとしきり暴れると、家主の方にご挨拶。お酒を振舞われます。礼儀正しく、静かなアマハゲたち。
そして、帰り際再び子供たちに今年も一年いい子でいるよう念押しの一暴れ。
アマハゲがいなくなっても、しばらく泣き続けていました。相当怖かったのでしょう。笑
アマハゲが去った後、先ほどの籠に、三つのお餅とお気持ちをお供えします。三つのうち一つを返してくれるのでそのお餅を次の日の七草粥にいれて食べます。
家の中には、アマハゲが着ていた”ケンダン”の藁がたくさん床に落ちていて、それをみんなできれいに集めました。
これは、”オカネ”と呼ばれ、ご利益のあるものとして、お守りにしたり、神棚に祀ったり、昔は七草粥を作るのための藁として大切に扱われました。私も、今年一年いいことがあるようにと拾い集めた藁を少し分けていたいただきました。
見に行くことはできなかったのですが、アマハゲたちが着ているケンダンは、最後にその日のうちに山で燃やします。
なんだか気合が入り、今年一年もがんばるぞ!という気持ちにさせてもらいました。
こうやって、家族やみんなの健康長寿、一年の福を運んできてくれるアマハゲの行事をこれからも絶やさず伝え残していかなければならないなと改めて思うのでした。
最後にアマハゲの動画をどうぞ!!!!