フーテン者が灯した、遊佐町復興の光

2024-10-02

/ by shumpei

はじめまして!遊佐町地域おこし協力隊の「ぺぃたん」こと白井駿平です。

Pei-tan

こんな見た目の人間です💁🏻‍♂️

 

この度、9月1日から新たに「情報発信および水循環保全」の担当に着任しました。

よろしくお願いします!(自己紹介記事は改めて書きます!!笑)


今回の記事では、9月16日に鶴岡にて開催された、

遊佐町復興チャリティに関してお伝えします。

 

もう1人新たに着任となった早坂豊美隊員(愛称:トミー)と2人で取材に行って参りましたので、

遊佐町の復興に向けての希望に満ちたイベントの様子を、ぜひご覧ください。

 

情報発信担当としての最初の記事投稿。はりきって参りたいと思います!

 

イベント概要

遊佐町復興チャリティ


◆開催日:9月16日(月・祝)
◆時間 :10:00~15:00
◆場所 :ショッピングセンターVOICE(山形県鶴岡市荒井京田248-1)「FREEDOM」(@freedom_zakka)前
◆料金 :入場無料
◆主催 :FUUTEN KITCHEN 八兵衛(@hachibee.yuza)

charity poster

画像提供:FUUTEN KITCHEN 八兵衛さん


遊佐町で大人気のキッチンカー「FUUTEN KITCHEN 八兵衛」さんが
発案・主催した本イベント。
鶴岡のショッピングセンターVOICEの中心にどっしりと構える雑貨屋「FREEDOM」さん
との

コラボレーションにより、遊佐町の復興を目指して盛大に開催されました。


イベントの様子

取材班が現場に到着したのは9:00過ぎ。
開場の1時間前にはほとんどのお店が揃っていて、開店準備が着々と進んでいました。

charity event venue, Tsuruoka VOICE

準備が進む会場


FREEDOMさんの店舗前にはなんとDJブースが!
開場まで待ちきれないとばかりに、早くもノリノリでプレイイングをしているDJの姿がありました。

charity event venue, FREEDOM

FREEDOM店舗とDJブース

a DJ playing songs

開場に先立ってエンジン全開のDJ


天気は快晴で、朝から強い日差しが照りつけます。
今日は気温が高くなる予感。。。

Tsuruoka VOICE

快晴の空とVOICE


取材班も、来場者の飲食スペースの設置をお手伝い。
イベントが始まるのだなあ、という実感が高まってきます。

Tommy is setting the equipument

設営を手伝うトミー


設置されるのはお店と飲食スペースだけではありません。
遊佐町復興の義援金募金箱が、FREEDOMさんの店舗の前に立派に設置されていました。

offering box

お賽銭箱をかたどった義援金募金箱。ノベルティの風船が可愛らしい

announce board

募金箱の看板。作りもさることながら、文字と言葉にも雰囲気があります


この募金箱と看板は、この日のために八兵衛さんが出店者の方と共同で手作りして準備したもの。

 

見てください、この募金箱。
近くでよく見ると、組子細工のような素敵な柄が描かれています。

 

元からそのようにデザインされた板材のようにも見えますが、
実は、一から手作業で彫って描いたものなんです!

すごすぎる・・・

offering box

構造も本物のお賽銭箱さながら。細部のデザインにまで心遣いを感じます


なんでも八兵衛さん、ご自身が主催するイベントでは何かしら
オリジナリティのあるコンテンツを組み入れるのだとか。
ここにしかない遊び心があることは、他ではない八兵衛さんのイベントが
楽しみになる大きな要因になりますね!

 

ちなみに、300円募金するにつき1枚、「LOVE YUZA」の文字がかっこよくあしらわれた

ステッカーのノベルティプレゼント(全3種)もありました。

novelty stickers

取材班は3種類全てGet! LOVE YUZA, yeah!😎

a boy smiling happily

ノベルティのステッカーと風船を手にしてご満悦のお子さん

※保護者の方に写真の使用許可を得ております。

a boy smiling happily

募金箱とともに記念の一枚

 

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さあ、いよいよ10:00の開場が近づきます。

皆さん開店準備もばっちりのようです。

FUUTEN KITCHEN hachibee

FUUTEN KITCHEN 八兵衛さんのキッチンカー

yakitori Kiyomi

金色のキッチンカーとシューズがかっこいい、「やきとりきよみ」の店主小林さん

 

10:00の開場から続々と来場者が訪れてきて、10:30には行列ができているお店も!

ALFA

風のオルファさん前の行列

 

キッシュが人気のこちらのお店は、風のオルファさん。

店主の竹村さんに聞くと、Instagram経由で事前予約がたくさん入っていたのだそう。

それだけ常連さんに愛されるお店なのですね。

 

今回のイベントは、14台のキッチンカーと21箇所のクラフトテント、

合計35店舗(主催者発表)もの出店がありました。

 

これだけのお店があると、どのお店に行こうか悩んでしまいますね。

でもその悩んでいる時間がまた楽しいんです。

 

これぞイベントの醍醐味!

charity event venue

会場内を見て回る来場者たち。キッチンカー以外にも、洋服や雑貨のお店も充実していました

 

ちなみに、キッチンカーに関しては、八兵衛さんが直接一人ひとりに声をかけて

出店を募ったそうです。

キッチンカー仲間の横のつながりが強いということと、同業ならではの募集のコツもある

とのことですが、八兵衛さんのその求心力には脱帽です。

 

そんなキッチンカーの中には、本格的なピザ窯が設置されているものも。

pizza oven in a kitchen car

キッチンカーの中でメラメラと燃える炎

 

クラフトテントでは、かわいらしい雑貨を販売するお店がたくさんありました。

Mimi

ゆめかわグッズを販売するMIMIさん

Neko-suke Hatena

猫をモチーフにしたグッズを販売するネコ助・ハテナさん

 

洋服のお店では、かっこいいデザインのものがたくさん販売されています。

TabbooR

義援金のノベルティシールをデザインしたTabbooR(タブール)さん

 

庄内地方を拠点とするお店が多い中、山形市や上山市、さらには米沢市から

出店しに来たというお店もありました!

Kakinomi-shokudo

山形市から出店、柿の実食堂さん

yamatarobe

上山市から出店、yamatarobe(やまたろべぇ)さん

LAUGH

米沢市から出店、LAUGH(ラフ)さん

 

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そんな数多くの選択肢を目の前にして、我々取材班(の胃袋)もついに動きます。

 

・・・お昼ご飯が食べたい!

 

魅力的なお店がたくさんありますが、やはりここは、

本チャリティの主催者であるFUUTEN KITCHEN 八兵衛さんのお料理をいただくことにしました。

 

この日の最高気温は30度。

朝から続く強い日差しで、夏が再び勢いを取り戻したかのよう。

 

そんな中、キッチンカーで我々のお昼ご飯を調理していただきます。

ありがたや・・・

FUUTEN KITCHEN Hachibee

熱のこもるキッチンカーで料理に熱を込める八兵衛さん

さあ、料理ができあがりました!

 

先に言います。

 

めちゃくちゃ美味しかったです。

 

普段厨房で調理のお仕事をされているという常連さんが

「キッチンカーのクオリティじゃない」と絶賛するのもうなずけます。

 

そんな絶品料理の写真を、今からお見せします。

 

心してご覧ください。

どうぞ。

sparerib by FUUTEN KITCHEN Hachibee

お箸で崩せてお口の中でみるみるとろけていく、お肉のうまみが濃縮された極上スペアリブ

peperoncino by FUUTEN KITCHEN Hachibee

唐辛子の辛みとうまみが絶妙に溶け出し、程よい塩味が食欲をそそる、プロの味ペペロンチーノ

violet smoothie by FUUTEN KITCHEN Hachibee

果物の心地よい甘さと華やかに立つベリーの香りがたまらない、毎日でも飲みたいヴァイオレットスムージー

 

イベント飯のこの雰囲気、非日常でとってもいいですよね。

dishes by FUUTEN KITCHEN Hachibee

絶品料理をこの環境で味わえる幸せ

 

熱中症にならないよう日陰に移動して、美味しくいただきました。

eating the sparerib by FUUTEN KITCHEN Hachibee

いただきます!どんなお味だろう・・・

eating the sparerib by FUUTEN KITCHEN Hachibee

パクっとな

eating the sparerib by FUUTEN KITCHEN Hachibee

うおお!

eating the sparerib by FUUTEN KITCHEN Hachibee

うまいぃ~~


出店者の横顔

と、ここで取材班、ふと考えます。

出店者のみなさんは普段どんなことをしている人たちなのだろう?

 

疑問を解消すべく、早速インタビューを敢行します!

 

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まずはゆめかわグッズを販売するMIMIさん。

 

普段は保育士をされているという店主の伊藤聡美さん。

お子さんたちと日々工作をしていることが高じて、お子さん向けのかわいらしいグッズを

製作するようになったのだそう。

Yume-kawa items by Mimi

店頭には数々の可愛らしいグッズが並びます

 

ほぼ毎週末イベントに出店していて、庄内地方や山形市の他、仙台や秋田で出店することも。

そんなわけで、グッズの製作は平日の夜中や早朝に行っているそうです。

 

かわいいグッズたちの裏には、伊藤さんのタフネスがありました。

どうかお身体にお気をつけて、これからもたくさんのかわいいを生み出してほしいと思います!

Yume-kawa items by Mimi

すべて手作りとは思えないほどしっかりと作りこまれたゆめかわグッズたち

 

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続いて、義援金ノベルティのステッカーデザインを担当した、TabbooRさん。

 

普段は美容師のお仕事をしているそうです。

おひげを蓄えた厳めしい貫禄のある見た目とは裏腹に、物静かで謙虚な青年でした。

TabbooR's original T-shirt

遊佐弁をこっそり入れ込んだ自作デザインのTシャツについて、熱く語ってくれました

 

取材班もそのデザインセンスに魅了され、それぞれアイテムをゲットしてしまいました!

TabbooR's items

お店の看板とともにパシャリ。photo by TabbooRさん

 

ノベルティステッカーと同じデザインがあしらわれたTシャツは、製作費を除き

全額がチャリティとして寄付されます。

 

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お次は、「猫に救われた人生だ」と語るネコ助・ハテナさん。

頭のてっぺんから足の先に至るまで猫になりきったコスチュームが印象的です。(下記写真中央)

Neko-suke Hatena

愛猫家もそうでない方も興味津々。猫は世界を救う、のか?

 

マザーテレサの「死を待つ人の家」に感銘を受け、猫を看取る施設を作るという

志を持ったと話すネコ助・ハテナさん。

そのために有効な資格を取得したり、必要な経験を積むためにボランティアをしたりと、

アクティブに活動をされていることを話していただきました。

 

そんなネコ助・ハテナさんは、拠点の鶴岡から遊佐町にもよく訪れてくれているそうで。

鶴岡の自然よりも「ドット数が多い気がする」と、遊佐町の自然の美しさを語ってくれました。

 

「つながりがなくまだ遊佐町で出店できていないが、いつか遊佐町でも出店したい」

という思いも話してくださり、遊佐町のイベントで再会できるのが楽しみです!

cat's tails by Neko-suke Hatena

一つずつ手編みをしている猫のしっぽは、中にワイヤー入りで形が自由自在。
小さな子どもが乱暴に扱っても壊れないように商品改良を重ねているということ

children with a cat's tail

お子さんたちに大人気で、元気な猫さんがたくさん生まれていました

 

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最後にお話しを伺ったのは、はるばる米沢から出店にいらっしゃったLAUGHさん。

 

店主の宍戸由樹さんは、縫製会社でフリーランスの作家として商品製作に携わる傍ら、

二足のわらじとしてLAUGHで自作のアクセサリー販売をしているとのことです。

 

宍戸さんの人となりが反映されたような、柔和で穏やかな優しさをまとった、

上品なアイテムがお店に並びます。

pierces by LAUGH

東京・渋谷のショッピングビルで販売されていそうな雰囲気さえ漂う上品なアイテムたち

 

今回のチャリティ参加について宍戸さんは、

「お客さんには”楽しい”を提供しながら、堅苦しくない形で金銭的な面でも被災地に

貢献ができるのはありがたい。誘ってもらえて光栄。」とお話ししてくれました。

 

取材班も、お店に並ぶアイテムを眺めたり手に取ったり、宍戸さんとお話しをしたりしながら、

すっかりその楽しさに浸っていました。

 

その結果がこちらです。

pinky ring by LAUGH

ぺぃたん、ピンキーリングを購入

button pierce by LAUGH

トミー、ピアスを購入

 

こうやって楽しんでお買い物をすることで被災地の復興に貢献できると考えると、

そのような場を生み出してくれた八兵衛さんには感謝の念が止みません。

 

チャリティの意義と成果

当チャリティの開催について八兵衛さんは、

「仕事でボランティアの参加は難しいため、仕事に直結させればいいと考えて発案した。

やらないよりはやった方がいい。自分にできることをしようと思った。」

と話してくれました。

 

その思いに呼応するように、前出の八兵衛さんの常連、伊藤瑠花さんも、

「ボランティア参加はハードルが高いが、商品購入を通して支援ができるのならばぜひ貢献したいと思い、

八兵衛さんの料理を楽しみに来た。このような場を作っていただいてありがたい。」

と話してくれました。

FUUTEN KITCHEN Hachibee

常連の伊藤さんとの会話を楽しみながら料理を作る八兵衛さん

 

主催者、出店者、来場者、それぞれの思いがガッチリと噛み合い、

被災地チャリティのイベントでありながら、そこにいる人々の楽しい気持ちが重なり、

非常に前向きな雰囲気が立ち込める素敵なイベントがそこにはありました。

FUUTEN KITCHEN Hachibee

出店者同士で商品を購入する場面も多く見られ、横の繋がりの深さを感じました

 

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今回のイベントの来場者はおよそ1,000人。寄せられた義援金の額は、214,747円に上ります。

※数値はいずれも主催者発表。

※義援金額は、募金箱へ集まった分と出店者の売り上げに応じた分の合計。

※義援金は、遊佐町に送られた後、町の義援金配分委員会が定める配分基準に従って被災された町民の方へ直接給付されます。

 

八兵衛さんにとって今回のイベントは新たな取り組み。

準備期間がおよそ1ヶ月と短い中、多くの来場者を集める一大イベントとなりました。

 

町のために手を挙げて、町の外でこのように実際の行動を起こされた八兵衛さんの姿には、

頭が下がる思いです。

 

八兵衛さんの次のイベント主催は、来年6月末に開催予定の「風龍祭」。

毎年3ヶ月ほどかけて準備をされているとのことです。

こちらのイベントも今から楽しみですね!

fuuryusai

今年6月に開催された風龍祭のパンフレット。今回のチャリティーに出店されたお店の名前もたくさん!
画像提供:FUUTEN KITCHEN 八兵衛さん

 

それまでの八兵衛さんの出店情報については、Instagramでご確認いただけます。

Let’s check it out!

 

◆FUUTEN KITCHEN 八兵衛さんインスタグラム:@hachibee.yuza


〜編集後記〜

当日は、日差しが強い中でしたが、取材をしながらとても楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

取材班の2人はこうした取材が初めてで、午前中くらいで取材は終わるかな〜などと思っていましたが、

出会う人出会う人が面白く、イベントがとても居心地のいい雰囲気だったので、

終了時刻の15:00まで取材を続けてしまいました笑

 

私たちもなかなか災害復興のボランティア参加ができずにいましたが、

今回のイベントに参加したことが巡り巡って少しでも誰かのお役に立てるかもしれないと考えると、

このような場を生み出してくださった八兵衛さんの行動はとてもありがたいなと思います。

 

遊佐町地域おこし協力隊としましても、日々の活動の中でできることとして、

町内各地の災害復旧の様子を随時取材し、当サイト内の記事でお知らせしています。

協力隊ならではのピンポイントな場所の様子をお届けしていますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。

 

末筆ではございますが、この度の豪雨災害で被災された方々の生活が、

1日も早く再建されることをお祈り申し上げます。

 

(文・写真(一部を除く):ぺぃたん、トミー)