吹浦祭り~鳥海山大物忌神社 吹浦口ノ宮 例大祭~
「鳥海山大物忌神社 吹浦口ノ宮 例大祭」が3年ぶりに、規模を縮小してですが開催されました!
近年はコロナ禍で神事のみ行われていましたが、今年は御神輿や出店もあり嬉しい開催でした。
通称「吹浦祭り」といい、5/4に宵祭、5/5に本祭が行われます。吹浦田楽の「諾冊二尊の舞」や、「花笠舞」などが奉納されます(山形県無形民俗文化財)。
元々は旧暦の4/8に行われており、時は871年の4/8に鳥海山が噴火したことに由来するといいます。鳥海山は今も活火山なんです。
鳥海山大物忌神社は※出羽國一之宮で、山頂の「御本社」、山麓の「蕨岡口ノ宮」「吹浦口ノ宮」の3社からなっています。※出羽国(現在の山形県と秋田県にほぼ相当)※一之宮(ある地域の中で最も社格の高いとされた神社)
「鳥海山大物忌神社 蕨岡口ノ宮 例大祭」は、今年は神事のみが開催されました。
2021年の様子は過去記事からどうぞ
「吹浦口ノ宮」は遊佐町の北西部、鳥海山麓の吹浦地区にあります。海と山が間近にあり移住者にも人気の地区で、鳥海山ブルーラインの入口があります。
写真は月光川河口から見た吹浦地区。住宅の横の緑は鳥海山の裾野です。ほんと鳥海山が間近ですね!
吹浦ウォーキングの様子(2021)はコチラからどうぞ
地区には軒先花という花の飾りや、子供たちのポスターが貼られていました。お祭りのワクワク感が出ていますね~!お花もかわいいし、絵も上手です。こういう手作りいいですね、素敵です!!
5/4 宵祭 夕方から「吹浦田楽」の舞が二か所で奉納されます(山形県指定無形民俗文化財)。
ぼんぼりも設置されています。一ノ鳥居の奥はニノ鳥居。
のぼり旗や五色の旗もありますね。
ニノ鳥居の横の御池にあるオノコロ島で、二つの舞が行われます。
「諾冊(だくさつ)二尊の舞」一人の舞手が二種類の面を交互につけて舞います。
初めの舞は、青色の諾面をつけ、鉾を二本持って舞います。
海を鉾でかきまぜて滴り落ちる滴が固まって日本ができたという神代の故事を表します。
こちらの舞の動画を撮り損ねてしまい・・・(苦笑)
YouTube「遊佐町公式チャンネル」にてご覧いただけます!
令和3年度 遊佐町民俗芸能公演会 in YouTube コチラからどうぞ(諾冊二尊の舞は7分55秒位から)
次の舞は、茶色の冊面に替えて、扇子を持って舞います。耕作や機織りを表す仕草の舞です。
舞のほんの一部ですが、動画もご覧ください。
「大小の舞」舞人二人が扇子を持ち、笏拍子に合わせて舞います。
こちらも一部ですが、動画もご覧ください。
場所を移動して、「花笠舞」が行われます。八重桜と山吹の生花で飾った花笠が下拝殿に用意されています。花は近くの山へ採りに行くそうです。明日の本祭では生花ではなく、赤い造花で飾った花笠を使用します。
階段を登り、三ノ鳥居をくぐると「拝殿」があります。
「拝殿」の上部、左側に「摂社 月山神社本殿」、右側に「吹浦ノ口宮本殿」があります(国登録有形文化財)。写真ではわかりずらいですが、屋根が少し見えています。
ここで「花笠舞」が奉納されます。豊作を祈る舞です。舞場所には、四方に榊を立てしめ縄で結界が作られています。
下拝殿から続く階段を登ってきた舞手たち。楽人の音色と共に登場です。
先払いが四方のしめ縄を長刀で切り払い、花笠舞が始まります。先払いは舞が終わるまで後見を務めます。
一人ずつ舞手が舞台に入って舞が始まります。篝火が焚かれ、幽玄な雰囲気が漂います。
笛と太鼓の拍子に合わせ、編木(ビンササラ)を手に持って舞います。
笛の音色と鳴り響く編木(ビンササラ)の音。
そして篝火のパチパチという炎の音。
舞の初めはゆったりとした動きですが、最後の方には足を上げ、足踏みをするリズミカルな動きになります。
舞のほんの一部ですが、動画もご覧ください。地面を踏み込むと同時に腰を落とす勇壮な舞です。
終わるとすぐに花が配られます。私も頂きました、ありがとうございました。
本日の舞はこれで終了です。明日の本祭を楽しみに(^^♪
5/5 本祭 午後から御神輿行列が巡幸し、「御頭舞」、「巫女舞」、吹浦田楽の「花笠舞」が奉納されます。
雲一つない晴天です!出店もあっていいですね、にぎわっています。
皆さん神社の境内へ集まっていきます。
「御神輿御渡行列」が始まります。先陣を切るのは「奴振り」。
一斉にシャッターを切るカメラマン達。すごい人気ですね!!私もいい場所を狙います、どこぉ~~?!(頑張れ!笑)
コロナ禍のため縮小して行っており、武者行列等はありませんでした。
吹浦地区を練り歩きます。
「台花持ち」着飾った子供たちが、台花(造花を台に挿したもの)を持って回ります。華やかでかわいいですね。
「本神輿」コロナ禍でなければ、中高生たちが担ぎます。
「台花持ち」の付添いの親御さんは、首に麻糸をかけています。体を清める意味があるのだそう。
「樽みこし」小学生5・6年生と保護者が参加します。樽??どんなみこし?よく見ると酒樽ですね!中島隊員も一緒に参加して元気に神輿を担いでいました。
今年は漁業関係者の方の「船みこし」はありませんでした。
お賽銭を入れてくれてますね!この風習は見た事がなかったです。行く先々で皆さん入れてました。
屋台の前も元気よく通ります。今日は暑いけど頑張って~~!屋台美味しそう~
奴振りの皆さん 神社へ戻っていきます。
「御神輿御渡行列」のにぎやかな様子もどうぞ~
「吹浦みこし」吹浦みこし会の皆さんと近隣の方などが参加します。これぞ御神輿!大盛り上がり!!迫力があります。
このパワフルさは動画でどうぞ~
下拝殿の前で花笠舞の舞手が控えています。昨日の生花で飾ってあった花笠とは雰囲気がガラリと変わりますね!赤で華やか~
はじめに「御頭舞」の奉納です。
動画でご覧ください
続いて「巫女舞」の奉納です。
動画でご覧下さい
祭のフィナーレを飾る、吹浦田楽の「花笠舞」です!またもやカメラマンがかまえています。(いいポジション狙って頑張れ私~)
下拝殿から長刀を持った先払いを先頭に楽人と舞手が続きます。
先払いが長刀でしめ縄を切り、舞手が舞台へ入って舞が始まります。
五穀豊穣を祈念する花笠舞。赤い花は稲の花、笠の紙垂(しで)は雨、編木(ビンササラ)はカエルの鳴き声を表すのだそう。
まさに今、遊佐は田植えの季節です。豊作なれ~!
舞い終えて戻っていく皆さん。
例年だと舞の後に、舞台の上から観客側へ花笠を投げます。花は縁起物とされ奪い合いとなるのだそう。今年は感染予防対策上、行われませんでした。
花笠は全て手作業で作られているんです。3月に竹取り、4月に染め(花を赤色に染める)などの工程があり丁寧に作られています。今回は、事前に用意されていた公演会用の花笠を使用とのことでした。
吹浦祭りは歴史があり、奥深く、地区の皆さんが大切に繋いできたことが伺われるお祭りでした。今年は開催できたありがたみをしみじみと感じました。来年は花笠作りを見てみたいなぁ。
出典・参考図書
『吹浦田楽』編集者 神田より子/発行者 遊佐町教育委員会 1996