鳥海山大物忌神社の例大祭

2021-05-14

/ by kaori

 

鳥海山大物忌神社の例大祭に行ってきました。(コロナ禍のため神事、御神輿のみが行われました。

 

鳥海山は秋田県と山形県の県境にあり、秀麗な山容から出羽富士とも呼ばれ親しまれています。古代より出羽国の中心的な信仰の対象として崇拝され、近世では農業の神として崇められてきました。鳥海山は活火山で、噴火などの異変が起こると鎮祭が行われました。

鳥海山大物忌神社※出羽國一之宮で、山頂の「御本社」、山麓の「蕨岡口ノ宮」「吹浦口ノ宮3社からなっています。※出羽国(現在の山形県と秋田県にほぼ相当)※一之宮(ある地域の中で最も社格の高いとされた神社)

 

毎年5月に、蕨岡吹浦の口ノ宮の例大祭が行われます。(コロナ禍のため行える行事のみとなっています。

 

蕨岡口ノ宮例大祭  5/3(今年は神事のみ)

別名「大御幣祭」といい、鳥海山蕨岡修験修業の最終段階として行われた行事です。通常時であれば、五穀豊穣と鳥海山の安寧を願い、「大御幣行列」や「蕨岡延年の舞」(山形県無形民俗文化財)などが奉納されます。

 

過去記事でご覧頂けます。→5月3日は上寺祭り!(地元の人は上寺祭りと呼んでいます。)

 

 

吹浦口ノ宮例大祭  5/4宵祭(今年は神事、御神輿地区御渡巡幸のみ)、5/5本祭(今年は神事、御神輿御渡行列のみ)

通称「吹浦祭」といい、通常時であれば、「諾冊二尊の舞」や、五穀豊穣と無病息災を祈願し、「花笠舞」などが奉納されます(吹浦田楽 山形県無形民俗文化財)。

 

 

 

まずは、蕨岡(毎年5/3開催)をご紹介します。(コロナ禍のため神事のみ。) 例大祭神事に行ってきました。蕨岡口ノ宮は町の東南部にあり、丘陵の上に開けた上蕨岡の集落にあります。山側ですね。

鳥海山大物忌神社 蕨岡口ノ宮のニノ鳥居前です。のぼり旗や五色の旗がいつもと違ってお祭り感がでますね!

「隋神門」(国登録有形文化財)の所にも一宮の提灯が飾られていて、いつもはないのでおぉ~!、カッコよさがUPしています。

蕨岡口ノ宮の案内の看板です。(鳥海山大物忌神社蕨岡口ノ宮は、国指定史跡「鳥海山」の一部です。)

「神楽殿」(国登録有形文化財)があります。ここで蕨岡延年の舞が奉納されます。(修験道の修行の一環で行われた舞いで室町時代から伝わるという。今回は残念ながら延年の舞は行われません。)

三ノ鳥居をくぐると「本殿」(国登録有形文化財)があります。この本殿の大きさが伝わるでしょうか。手前の木がイチョウです。

大変立派なんです。幅が16.9m、奥行きが13.8m、床高が2.3mもあります。

本殿の中にも一宮の提灯が。稲が綺麗に飾られていました(新嘗祭の時のだそう)。

そろそろかなぁ~と待っていると、雅楽が流れてきました!笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)3つの楽器※の音色が合わさり曲が奏でられます。生演奏でなかなか聴いたことがないのでテンション上がります♪ 笙のぷわぁ~~~んという音、好きなんですよね。篳篥の主旋律の音色も素敵。どうやって演奏するのかな・・・。それぞれ竹でできているそう。

※笙は「天から差し込む光」、篳篥は「地上の人の声」、龍笛は「天と地の間を泳ぐ龍の鳴き声」をそれぞれ表し、「天」「地」「空」宇宙を表すという。・・・コスモですね

そして無事に例大祭神事が執り行われました。

 

 

 

 

続いて、吹浦(毎年5/4、5/5開催)をご紹介します。(コロナ禍のため神事、御神輿のみ。)

5/5の例大祭神事と御神輿御渡行列に行ってきました。吹浦口ノ宮は町の北西部にあり、海と山の間に開けた集落にあります。海側ですね。

神社周辺の家の軒先を見てみると、何か飾られています。

手造りのお花です!とてもかわいいですね。軒先花といって各家で飾るそうです。ノリでつけているだけなので雨が降ると取れてしまうそう。

街灯にも飾られていました。華やかでいいですね。お祭り感が出ています。

鳥海山大物忌神社 吹浦口ノ宮のニノ鳥居をくぐると大きな灯篭が。手前の小さい灯篭がかすんで見えます。階段を登っていきますよ~。

のぼり旗や、「下拝殿」の前には五色の旗がはためいていました。

吹浦口ノ宮の案内の看板です。(鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮は、国指定史跡「鳥海山」の一部です。)

階段を登りきって三ノ鳥居をくぐって、「拝殿」に到着しました。

ほぅ~また雅楽の調べが流れてきました!神事が始まろうとしています。

吹浦口ノ宮は「拝殿」の奥に登廊があり、そして一段高い所に回廊が続き、「摂社月山神社本殿」と「吹浦ノ口宮本殿」があります。(国登録有形文化財)

拝殿の左側に階段があり登っていくと、本殿を見ることができます。手前が「摂社月山神社本殿」。奥が屋根の頭しか見えませんが「吹浦ノ口宮本殿」です。

そして無事に例大祭神事が執り行われました。

拝殿の周りには八重桜とスミレが咲いていました。

ここからは「御神輿御渡行列」を紹介します。いよいよ始まろうとしています!(コロナ禍のため最低限の人数で行っています。)

先頭を行く「奴振り」が動き出しました。※奴振り 大名行列の供先を務めた「奴」の姿に扮した若者たちが、毛槍や挟み箱、棹などを手に町を練り歩く

奴振り初めて見ました!カッコイイですねぇ~。先払いをする役目があるそうです。

続いて獅子頭、太鼓、笛と共に、

「本みこし」の登場です。大物忌神社の祭神の大物忌の神と月山の神の二基の神輿が吹浦の町を練り歩きます。

雨が降ってきましたが、無事行われました(あまり雨が降ることはないそうです)。通常時であれば「樽みこし」や「船みこし」もあり、大変賑やかだそうです。来年は迫力ある様子をお届けできますように。

鳥海山大物忌神社の「社紋」は、鳥海山の高山植物で固有種の「チョウカイフスマ」が元になっているそう。とてもかわいいです。よく見るとそれぞれ色など違っていてデザインが凝ってますねぇ!遊佐町の花にもなっています。鳥海山に登って本物を見ねば!以上、豆情報でした♪