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花笠作り 吹浦祭り~鳥海山大物忌神社 例大祭~

2023-04-27

/ by kaori

今年も鳥海山大物忌神社の祭りの足跡が聞こえてきました。早くも1週間後にせまっています。

祭の準備はすでに始まっているんです~!今回は花笠作りを紹介します♪

 

吹浦地区にある「鳥海山大物忌神社 吹浦口ノ宮」の例大祭

通称「吹浦祭り」といい、毎年5/4に宵祭、5/5に本祭が行われます。

両日ともに奉納される「花笠舞」。五穀豊穣を祈念する舞で、祭りのフィナーレを飾る見どころとなっています。その花笠舞に欠かせないのが花笠です! →→今年の花笠舞の様子を追記(5/10)。

 

 

「鳥海山大物忌神社 吹浦口ノ宮 例大祭」の過去記事はコチラからどうぞ 2022年、 2021年

「遊佐町民俗芸能公演会」の過去記事はコチラからどうぞ 2022年

5/4 宵祭 八重桜と山吹の生花で飾った花笠で舞います。

花は近くの山へ採りに行きます。

 

5/5 本祭 赤い造花で飾った花笠で舞います。

なんと花笠は、全て手作業で作られているんです!

3月に竹取り、4月に染め(赤色に染める)などの工程があり、皆さんで一つ一つ丁寧に作られています。

 

 

それでは制作の現場へレッツゴー!4年ぶりの花笠作りです(コロナ禍のため行われていませんでした)。

まずは笠作り、男性陣の担当です。

採ってきた竹を割り、ナタで整えていきます。

笠になる部分を編み、芯になる部分にわらを縛ります。

6か所に縛ったわらを一つに束ねます。

わらの先をきれいにカット。笠の部分に和紙を糊で貼り付け乾かします。

わらで頭にかぶせる部分を作ります。和紙を貼って笠に付けます。

芯の部分に紅白の水引き、笠の周りに紙垂(しで)を付けて完成です。

 

頭にかぶせるわらの部分だけでも、結構しっかりしていて重さがあり驚きました(これに花を付けたらどれだけの重さになるのか・・・)。

舞の前に花笠を装着しているところ。コツがあるようで新人さんはかぶせてもらっていました。バランスとるのが難しそうですもんね。

 

 

 

続いては花作り、女性陣の担当です。

5枚に重ねた白い和紙を三つ折りにして、型紙に合わせてカット(五つの大きさがあります)。糸でつなぎます。

赤い染め粉で染め、風通しのいい所で7~10日ほど乾かします。

 

赤い色の和紙ではなく、染めていたのですね(驚)!染めるほうが色が濃く、綺麗な赤になるのだそう。確かに、赤色に深みがあります。こだわりの色ですね。

糸を切り、一つずつ中心をカットし広げます。

花びらになる部分に一つ一つ切り込みを入れていきます。花びらの大きさによって切込みの数が違うので確認しながら作ります。(手元にメモが置いてありました)

更に花びら一つ分を半分に折り、先を斜めにカットして仕上げます。

これが集中力がいり根気のいる作業で、一番大変とのこと。皆さん黙々と作っていました!早く終わらせたい(談)

 

私も少しカットさせてもらいましたが、もう大変さが伝わってきました。ひいぃぃ~、細かい!皆さんお疲れ様です~

5枚重ねて一つの花ができます。花笠一つに35本つけます。

花びらができたら、5枚重なっている和紙を剥がしていきます。

1枚づつ重ねていき、糊で貼ります。

 

これも丁寧な作業ですね~。糊付けしてみる?と聞かれましたが、自信がなく和紙を剥がす方をお手伝いしました。

糊を乾かします。

作業手順が丁寧に書かれたものを発見(カレンダーの裏を使用)。

花のがく部分を作ります。黄色い和紙をくるんと巻く作業もコツがいるとのこと。花粉を表します。

花のがくに糊を付けます。

花に通して、しっかりと貼り付けます。

並ぶときれいですね~

な、なんと草鞋の紐部分を和紙できれいに糊付けしていました。こんな所にも細やかな気配りが(驚)!

これで舞い手の方も気持ちよく舞えますね。

花笠の芯の部分を作ります。竹に緑の紙を巻き、先端はボール状にします。糊で葉を付けて完成。

 

葉の葉脈も手作りとのこと(驚)!切った緑色の和紙を3枚重ねて手拭いに挟み、手前にねじってしわをつけるのだそう。おぉ~手作りスゴイ、と感心してしまします。

茎の部分を緑の紙テープで巻いていきます。

五色の紙垂(しで)を付けます。

 

色紙かと思いきや紙垂(しで)だったのですね(切り込みが入っています)。とにかく丁寧な作業が続きます。

二人一組になって、笠に花を組んでいきます。輪にした竹に紅白の水引で花を結びつけます。

 

花笠の芯の部分の周りの竹には、赤い和紙で作った花と白い綿を付けます。桜と雪を表します。

笠の周りに紙垂(しで)を付けて、完成です!!赤い花は稲の花、笠の紙垂(しで)は雨を表します。

 

なんとも華やかですね~!!連日の細やかな作業の輝きが見えます。

とーっても手が込んでいる花笠作り。久しぶりとなり、思い出しながらの作業で大変とのことでしたがスムーズに作業が進んだ皆さんでした。

 

 

当日は舞の後、舞台の上から観客側へ花笠を投げます。花は縁起物とされ競って取り合います。花笠、大人気です。

私はまだ投げられた所を見た事がないので楽しみだなぁ~(昨年は感染予防対策上、行われませんでした。)

 

花笠は結構な重さがあり、ずれないように舞うのが大変なんだそうです。(ずれると重さでどんどんずれていく 舞い手談)

この点に注目して舞を見るのも新たな視点でいいですね。ずれないようにと応援したくなります。

花笠舞の絵馬

 

ぜひ、吹浦祭りに一度お越し下さいね♪

ちなみに今年は4年ぶりに「鳥海山大物忌神社 蕨岡口ノ宮」の例大祭

通称「上寺祭り」が5/3に開催されます。こちらもぜひ訪れてみてください。

 

Special Thanks

鳥海山大物忌神社 吹浦口ノ宮、花笠作りの皆さん、吹浦まちづくりセンターの皆さん

取材や写真の提供(一部)をいただき感謝

 

出典・参考図書 『吹浦田楽』編集者 神田より子/発行者 遊佐町教育委員会 1996

 

 

 

↓ ↓ 今年の花笠舞の様子(追記5/10)

花笠をかぶって準備します。ちゃんとかぶれているか要チェック!

花笠舞の始まりです。階段を下りてくる登場もかっこいい~。

ニノ鳥居の近くで舞います。

花笠が素敵です~、外で見るとさらに映えます!

ニノ鳥居から移動して舞台の上で舞います。

今年は花笠が投げ入れられるということもあり、去年よりも沢山の人出でした。

もう花笠舞より、投げ入れられるのが気になってしょうがない(笑)シャッターチャンスを逃すまいと必死です(汗)

花笠舞が終わり、いよいよ投げ入れの瞬間が来ました!

それぇ~~~いっ!

話に聞いていた、もみくちゃになるよ!という花笠争奪戦?!の開始です。

ご安心ください!ちゃんと事前に男性、女性、子ども用と投げるエリアが決められていました。

男性の方は激しかったそうですが。みなさん分けあって嬉しそうで良かったです。縁起ものですもんね♪家内安全のお守りになるそう。

私もおすそ分けを頂きました。もっけだのう。