早春の鳥海山スノーシューハイク
3/12(土)に「早春の鳥海山スノーシューハイク」 が遊佐鳥海観光協会の主催で行われました。
鳥海山麓の雪原をスノーシューで楽しみます。今回の三ノ俣(みつのまた)コースは、標高約300mから出発し、標高600m付近でブナ林に囲まれた雪の上で昼食をとります!
ガイドさんのお話もあり、冬山トレッキングの見どころが満載の大満喫のコースでした!!
さんゆうから出発。標高約300m
(さんゆうには産直や飲食コーナー、人気の湧水があります。冬はスキーやソリ遊びもできます。過去記事はコチラからどうぞ)
まずは三ノ俣コースの説明。今回の目的地までは標高差が約300m。休憩も入れ約5時間、体力に自信のある方が参加条件です。
ガイドの森さんより、地図でコースの起伏や登りのきつい所を確認。等高線の見方のレクチャーがありました。
続いてガイドの畠中さんより、今いる地点のレクチャー。写真右下の指をさしている所が現在地。ちなみに鳥海山の標高は2,236mです。
鳥海山の立地地図。ジオ好きの私にとっては大好物の立体地図!!もうガン見です(笑)
三ノ俣コースは赤い線の所です。立体地図で見ると複雑な形をしているのがわかりますね。鳥海山、ダイナミックだなぁ~!
さんゆう併設の三ノ俣冬季レクリエーション施設からスタートです(無料の簡易リフトがあり、スキーやソリ遊びができます)。晴れていると鳥海山が見えるのですが、全く雲の中です。
最初の傾斜がきついポイントを行きます。スキーコースの横だけに結構ありますね。
越えると少し平らに。ふぅ~と一息。
休みがてら振り返ると、少し青空が見えました。右側の赤松の木を見て、ガイドさん「あ、エビフライありますよ~」、参加者「え?!エビフライ?!何?何?」
赤松の下を見ると、松ぼっくりのリスの食べた後が(写真左は食べかけのもの)。“エビフライ”と言うそうな、なるほど!カワイイです~~(=^・^=)
写真左:枝に引っかかっていたヤマアジサイのドライフラワー
写真右:クロモジ 春になると新芽が出て小さく可憐な花が咲く
さらに進むと鳥海山の裾野が見えてきました。合い変わらず山頂は雲の中です。
一面に広がる雪原。
振り返ると今付けた足跡が。
雪虫と野ウサギのフンを発見。雪虫は雪の上で活動する虫だそう、雪原にも虫がいるんですね。
ウサギのフンは茶色くてコロコロしているのが特徴。
近くに野ウサギの足跡が薄っすらとありました
写真左:イタドリ。さすがガイドさん、教えてもらわないと全くわかりませんね。
写真右:雪原を進み、雑木林ゾーンへと入っていきます。
写真左:ヤマザクラ(中央の黒い幹の木)
写真右:ヤマブドウ(隣の木の枝に巻き付いていました)
ミズキ 赤い枝が特徴です。小正月行事のだんご木飾りに使います。(ミズキの木に、丸めただんごや縁起物の飾りをつけて、家の神棚や大黒柱に飾り五穀豊穣を願います。過去記事はコチラからどうぞ)
冬は木の枝が見えて、枝ぶりや幹の苔むし具合もハッキリと観察できますね。
ブナも増えてきました
雑木林の間を抜けて、開けたところへ
本日2つ目の傾斜がきついポイントを登っていきます
振り返るとシマシマ柄の雪と木の光景が。何だろ~??森林伐採??
鳥海山のイヌワシの保全のため、列状間伐をしている区域なんです。イヌワシは翼を広げると2mにもなり、木々が茂っているとイヌワシは飛べず、餌となる野ウサギなどを捕まえることができません。列状に伐採することで飛べるようになり、狩をすることができます。野ウサギも残っている木などに隠れることができます。
昔は木を伐採して生活に使用していましたが、今は使うことが無くなりました。木が茂っていくばかりで、イヌワシの狩場が少なくなってきていることもあり、国有林の人工林を伐採して狩場を作っています(林野庁 庄内森林管理署)。光が差し込むことで草や低木も育ちます。
鳥海山には2つがい(4羽)のイヌワシが確認されています。イヌワシは生態系の頂点にいて、自然豊かで生き物がたくさんいる、生物多様性があるところに生息しています。絶滅が心配されており、こういった保護活動が行われています。国内を見ても生息環境の悪化などで年々減ってきているんだそう。とても大切ですね!
コシアブラ 幹が白いのが特徴です。これも教えてもらわないと全くわかりませんね。。。
雑木林の中へ歩を進めます。
動物の足跡を発見しました!写真左からリス、テン、カモシカ
リスは小さくてかわいかったです!カモシカは堂々としていて圧倒されました。
青空がみえてきました。陽の差し具合で森の表情が違って見えますね。自然のスポットライトだわ。
木々の間から鳥海山の西側のピーク、笙ヶ岳が見えました。
写真左:タムシバ 葉や枝を嚙んでみると、歯磨き粉の様なさわやかな味が!花芽が膨らんできていました、コブシのような白い花が咲きます。
写真右:キクラゲが生えています!美味しそうです。
これは昔、この辺りにいたクマのひっかいた跡だそう。しっかり残っていますねぇ!
クマ棚の跡。木を登って枝を折り、引き寄せて実を食べます。その枝を下に敷いていったものが巣の様に積み重なるのをクマ棚というそうです。古い跡なので大きな枝しか残ってないですが。
冬芽を枝にたくさん付けたブナの木。大きくなると樹高30m、寿命は300年位にもなるといいます。ちなみに山形県の天然ブナ林の面積はなんと日本一なんです!
茶色い冬芽の中で、緑色の新芽が育っています。4月下旬頃、花と一緒に葉が開きます。新芽や花、柔らかい葉はサルやクマが食べるそうです。秋になる実も動物たちが食べます。
立派なブナの枝ぶりです。ブナは保水力が高いと言われます。この枝葉で雨水を受け止め地中に蓄え、鳥海山の豊富な湧水を支えているのですね。
立派なブナの幹。ここから上は雪の重みに耐えることができるブナしか生育できないそうです。鳥海山の雪の深さは平均2m。深い所では3mになるそう。ブナってすごい!鳥海山の母なる木ですね。
畠中さんがアオダモを教えてくれました。硬い木なのですが、軽く、しなやかさがあって、イチローさんがバットに使用していた木なんだそう。写真右:「こうやって曲げても折れないんですよ~」皆さん感心!
樹上にヤドリギを発見。写真左中央の巣のような部分がヤドリギです(わかりづらいですが)。木に寄生する植物で、丸くなっているものもあったりとかわいいですよね。
下を見るとオレンジの実が落ちていました(写真右)。実が割れて緑色の種が見えます。粘りがあって木の枝に付きやすいようになっているそうです。
この傾斜を越えるともうすぐ目的地です。
キハダ 内皮が鮮やかな黄色をしていて、生薬として使用されています。
ツルアジサイが木に巻き付き、ドライフラワーになって風に揺らいでました。
鳥海山が木々の隙間から見えます。
開けたところで、お待ちかねのランチタイム(^^♪ 天気も良く、ブナ林に囲まれ、雪の上で食べるお昼は、思っていたよりもと~~っても美味しかったです!空気が澄んでいるからかな。ほんと格別でしたね!
もちろん体を動かさないと、風が冷たい&とっても寒いので防寒をしっかりして休憩します!!
鳥海山山麓の標高約600m付近のブナ林で癒されるひととき。鳥のさえずりと風の音だけの静かな空間。とても贅沢なお昼休みでした!!
来た道を下っていきます。
列状間伐の所まで戻ってきました。
急斜面を見上げます。
斜面を下る野ウサギの足跡
雪原まで戻ってきました。向こうに薄っすらと庄内平野が見えます。海まではちょっと見えませんね。
振り返ると、鳥海山の全貌が!!参加者の皆さんも歓声をあげ撮影タイムです♪見えてよかったですね!青と白のコントラストが素晴らしい・・・左のピークが笙ヶ岳、右のピークが山頂方面です。
充実の1日、良きスノーシューハイクとなりました!運動不足の私には、途中疲労感漂った時が多々ありましたが(苦笑)。観光協会、ガイドの皆さんありがとうございました。
スタート時に曇っていた、さんゆう併設の三ノ俣冬季レクリエーション施設からも、鳥海山がバッチリ見えました。
帰りになんと干し芋のプレゼント(嬉!)この周辺の畑で作っている紅はるかを使用。
「鳥海三神の水」ふんだんに流れる鳥海山の新鮮な湧水を飲むことができます。人気湧水スポットだけあって今日も皆さん汲んでいますね、私ももちろん汲みましたよ!!鳥海山&ブナ林の恵みありがたや。
帰る途中の月光川大橋からもバッチリ見えました!
麓の杉沢集落からもバッチリ!!ここから見える角度も好きですねぇ。遊佐町民は写真を見ただけでどの場所から撮ったかがわかるそう。色々な鳥海山の表情が見えて楽しいです。