食卓にあかりを灯す、遊佐の味噌②

2026-03-10

/ by shumpei

こんにちは、ぺいたんです!

3回にわたってご紹介するあかり味噌づくり。

2日目の仕込みの様子をお届けします。

 

▼前日の仕込みの様子はこちらから

1日目:麹づくり、大豆の浸水

 

この日は14:00からお手伝いに参加。

昨日麹室に寝かせた麹たちは、いったいどうなっているんでしょうか…?

 

┃麹室で一晩

 

作業場に着くとさっそく、仁美さんが麹室で昨日寝かせた麹の温度を測っていきます。

 

温度計を麹の中に差し込んで、一つひとつ紙に記録。

 

測ってみると袋によって温度がバラバラで、「50度にまで温度が上がることもある」と昨日仁美さんが教えてくれたように、実際に48度まで上がっているものがありました。

 

昨日寝かせる前は32度くらいだったのに、一晩でこんなに上がるなんて…改めて麹菌の力を感じます。

 

┃麹を冷ます

 

温度が上がった麹を、台の上に広げて冷ましていきます。

 

袋から出した麹は、昨日とは様子が違いました。

 

お米同士がくっついて、塊ができています。

触ってみると、袋によって温度が違うのが手でも分かるくらい。温度が高いものほど塊が多い印象でした。

 

手で混ぜながら冷ますのですが、これがかなり楽しい。

 

「枯山水みたい」なんて言いながら畝を作りながら広げて、少しずつ温度を下げていきます。

 

そして何よりこの工程で感じられるのが、独特の香り。

 

麹を冷ましているときにかおる香りが、ほんのりと甘くて、思わず微笑んでしまうような香りなんです。

 

仁美さんがそれを表現した言葉が印象的でした。

 

「幸せの香りなんです」

 

分かるなあ〜。この香りを嗅いでいると、なんだか心がほっこりする感じがしました。

 

┃もやしもんの世界

 

麹を混ぜながら、仁美さんが話してくれたことがあります。

 

なんでも、マンガ『もやしもん』のように、麹菌がそれぞれ個性を持っているようなイメージで触っているんだとか。

 

 

見えない菌たちが、それぞれ元気に活動している。
そんなイメージを持ちながら麹に触れると、なんだか一層愛着が湧いてきます。

 

温度が下がったら、毛布をかけて再び麹室へ。

 

その時、仁美さんが麹に向かって一声。

 

「おいしくなるんだぞ」

 

…なんて温かいんでしょう。

 

食べ物を作るって、こういう気持ちなんですね。

 

┃見守り、元気な麹を育てる

 

 

今日一日で、麹を冷ます作業は朝昼夜と3回行われます。

 

しかも、都度しまい方が違うというから驚きです。

 

1回目(朝)は、元の一つの袋に戻す。

2回目(昼)は、二つの袋に分けて戻す。(全部で12袋になります)

3回目(夜)は、毛布ではなくシーツをかける。

 

さらに、麹室の中でも場所によって温度や湿度に差が出るため、麹の温度を見ながら、寝かせる場所や向きを都度入れ替えて温度を管理します。

 

麹の状態に合わせて、その時々で細かく対応を変えているんですね。

3回目に麹を寝かせている時の様子

 

棚の下にお湯を入れて湿度を保つ工夫をするなど、手間ひまかけて、丁寧に、丁寧に。

 

麹菌が元気に育つように、環境を整えていきます。

 

┃大豆の水換え

 

麹の温度管理が一段落したら次は、昨日から大豆を浸けておいた水を換えます。

 

サイフォンの原理を使いながら、効率よく。

 

最初は丸く固かった大豆が、

 

一日経ってこんな風に変化しました。

現時点で豆の中心部まで半分ほどの浸かり具合。
浸水すると形がピーナッツのように長くなるの、不思議だ…。

 

浸水した大豆は、最終的には元の重量の2倍にもなるんだとか。(60kgの大豆を使ったので、120kg!)

仁美さんに許可をいただいて食べてみたら、普段食べる大豆の風味はありつつ、青っぽい味わいと若干の苦味の印象が強かったです。

※後で調べたら、生の大豆には下痢や嘔吐につながり得る毒性があることが分かりました。大豆を食べる際は、加熱または発酵したものを食べるようにしましょう。

 

取り出した水は、サポニンがまだ染み出しているようで、泡立っています。
色も黄色っぽくなっていて、大豆の雑味を取り除いてくれているようでした。

 

┃夜の温度管理

 

前述のとおり、夜も仕込みを行います。

 

18:30に再び集合して、麹を冷ます工程をもう一度。

 

日中の温度管理が終わったのが16:00頃だったので、まだ2時間半しか経っていません。

それでもすでに麹の温度は上がっていて、45度以上になっている袋もありました。

 

朝も昼も夜も、麹の様子を見守りながら温度管理を続ける。

 

あかり味噌は、こうして丁寧に手をかけて作られていくんですね。

 


2日目を終えて、改めて感じたことがあります。

 

味噌づくりは、ただ材料を混ぜて待つだけじゃない。

 

一日に何度も温度を測って、冷まして、寝かせて、手をかけていく。

麹菌の状態に合わせて、その時々で対応を変えながら、丁寧に育てていく。

 

「おいしくなるんだぞ」と声をかけながら。

 

そんな温かい営みが、私たちの食卓に味噌を届けてくれるのですね。

 

次回はいよいよ3日目、大豆と麹の出会いをお届けします!
3日間の仕込みの集大成。どんな様子になるのでしょうか…?

 

お楽しみに🙌

 

▼この後の仕込みの様子はこちらから

3日目:出麹、大豆の煮込み、材料の混ぜ合わせ、樽詰め

 

 

(文・写真:白井駿平)