おひさま色の実りを刈ろう!

2025-10-16

/ by toyomi

秋晴れが心地よい季節になってきました。でも肌はまだ夏色、トミーです
今回は稲川まちづくり協会「いなほ学園」稲刈り体験に参加してきました。

 

 

■地域に根ざした学びの場「いなほ学園」

稲川まちづくり協会では、地域の子どもたちが自然に親しみ、ふるさとの文化や営みに触れながら成長できる場づくりとして、「いなほ学園」を毎年開催しています。

「土に触れる体験を通して、子どもたちに地域の豊かさと食の大切さを感じてもらいたい」
そんな思いから、遊ねっと、地域の農家さんやボランティアの協力のもと、田植えから稲刈りまで、約4か月にわたる稲作体験が実施されています。
今年は5月24日の田植え(開園式)に始まり、夏の間は水の管理や雑草取りを経て、実りの秋を迎えました。
そして9月27日、この日はいよいよ待ちに待った稲刈り。朝から爽やかな秋晴れに恵まれ、澄み渡る青空の下で作業は始まりました。


いなほ学園の田んぼを管理してくれた、高橋さんです。

■作業開始


鎌を持って、稲刈り開始。

☆今回の稲刈りでは、稲を束ねて杭にかけて天日干しする「くいがけ」と
「はさがけ」の2通りで天日干しを行いました。

くいがけ(杭がけ)

  • 「はせがけ」の一種だが、組み方が違う。

  • 長い杭を地面に打ち込み、そこに稲を直接掛けていく方法。

  • 「杭」に掛けるので「杭がけ」と呼ばれる。

  • 竹や木で長く組むはせがけに比べ、簡易で小規模な場合が多い。


☆地元に伝わるなでぼうき、稲わら細工に利用するため、
仕上がりが美しい「はせがけ」

はざがけ(稲架掛け)

  • 稲を乾燥させるための方法。

  • 稲刈り後、束ねた稲を「はせ(稲架)」という木や竹で組んだ柵や杭に掛けて天日干しする。

  • 地域によって「稲架(いなかけ)」「おだがけ」「ほしがけ」など呼び方がある。

  • 鳥海山の麓・庄内地方でもよく見られる伝統的な稲干し。

違いのまとめ

  • はざがけ:木や竹で長い横木を組み、そこに稲を並べて干す。→ 大規模・見た目も壮観。

  • くいがけ:地面に打った杭に直接稲を掛ける。→ 小規模・省スペース。


鎌を片手に、子どもたちは初めて触れる稲のざらりとした感触や、稲穂がこすれ合うカサカサという音に驚きながらも、目を輝かせて稲刈りをスタート。
最初は鎌の使い方に戸惑う姿も見られましたが、地域のベテラン農家さんが丁寧に手ほどきをしてくれ、あっという間にコツをつかんでいきます。  

親子で息の合った稲束づくり

作業のリズムはシンプルながらも、連携がカギ。
子どもたちが稲を刈り取ったら、すかさず保護者が麻ひもで束ねていきます。
子どもが鎌を振るうたび、金色の稲穂が小さな山を作り、麻ひもや稲わらを巻く大人の手も忙しく動きます。

笑顔と声が飛び交い、親子で力を合わせて稲束が次々に出来上がっていく様子は、まるで秋の収穫を祝う家族行事そのもの。

中には休憩も忘れるほど夢中になって刈り続ける子どもも多く、最初は遊んでばかりの子も刈り取りはじめ、30分も経つころには大人顔負けの手つきになっていました。稲を刈り取る音と子どもたちの歓声が、秋風に乗って田んぼに広がります。

■はざがけ用150束


こちらは稲わら細工、なでぼうきに適した状態で保存するため、仕上がりが美しくなるよう丁寧に稲を刈り、束ねる必要があります。作業には慎重さが求められるため、途中で小休止を挟みながらも着実に進行。

結果、はざがけ用だけで約150束を確保し、残りはくいがけ用に束ねることができました。  

■2時間で稲刈り完了

今年は参加者が多く、作業は順調に進みました。

鎌を持つ手が増えれば、その分稲がみるみる刈り取られていくもの。
結果として、予定よりも早く、開始から約2時間3aほどの田んぼ一面の稲刈りが終了しました。

黄金色だった田んぼが、あっという間に刈り取られ、整然とした地面が見える景色は圧巻。
達成感とともに、参加者からは「こんなに早く終わるとは!」「みんなでやると楽しいね」と驚きと喜びの声が上がりました。  

■仕上げはくいがけ作業と補強

刈り取った稲を干すため、くいがけを組み立てる作業に移ります。
刈った稲を丁寧に重ね、しっかりと干せるよう高さを調整しながら杭にかけ、さらに雀除けのネットを張り巡らせていきます。

風に揺れて倒れそうな箇所は、補強。こうした一連の作業によって、稲はゆっくりと天日干しされ、やがて美味しいお米になっていきます。2週間干すそうです。

すべての作業が完了したのはお昼過ぎ。地域ボランティアとスタッフが稲刈りの余韻に包まれながら、達成感いっぱいの笑顔を見せていました。

■体験を通じて芽生える「遊佐米作り」への想い

いなほ学園の稲作体験は、単なる農業体験にとどまりません。
鎌を握る緊張、稲の香り、足元の泥の感触など、こうした五感を通した学びが、子どもたちの心に確かな記憶として残ります。

「自分で刈ったお米を食べるのが楽しみ」
「来年もまたやりたい!」

参加した子どもたちからは、そんな声が次々とあがりました。
地域の大人たちも「子どもたちが一生懸命で頼もしい」「これをきっかけに地元の農業に興味を持ってくれたらうれしい」と目を細めます。

■実りと絆を感じた一日

今回の収穫体験は、子どもたちにとって食のありがたみを実感する学びの場であると同時に、地域の大人と子どもが世代を超えて一緒に汗を流し、笑い合う交流の時間でもありました。

黄金色の稲穂が風に揺れた朝、刈り取られた田んぼに立つくいがけ。
それは、地域の知恵と協力が実を結んだ象徴でもあります。
実りの秋を迎えたこの体験は、参加者一人ひとりの心に、ふるさとへの誇りと未来への希望を刻む一日となりました。天気が良くて本当に良かったです。素敵な一日になりました。  by トミー