前職の同僚が、遊佐に来たぞ~
こんにちは、ぺいたんです!
気温が下がってきて、風が強くなってきて、冬の足音を感じる最近です。
少し前のことになりますが、9月に、東京で働いていた時の職場の同僚2人が遊佐町へ遊びに来てくれました!
遊佐での時間をとっても楽しんでくれたので、その様子を紹介します。

┃「遊佐最高!」
去年、僕が遊佐に移住してから、「いつか白井に会いに山形へ行こう」と言ってくれていた2人。
遊佐で1年過ごし、僕自身遊佐の自然や人の魅力にたくさん触れてきたので、満を持して2人を遊佐に招待しました。
事前に近況を聞いたところ、毎日「死にそう」になりながら働いているとのこと。
ぜひ遊佐町でリフレッシュしてもらいたいと思い、2日間の旅のプランで、遊佐と庄内の魅力をたっぷりと味わってもらいました。

【1日目】
朝一番の特急いなほで酒田駅に到着した2人と、久々の再会。
朝5時頃に東京を出発して、遠路はるばる庄内の地を訪れてくれました。
早速、酒田の日和山にある日和亭でランチをして、

食後は向かいの海向寺で即身仏と対面。
住職の解説を聞きながら、即身仏となった2人の上人の意志と覚悟の強さに「ちょっと泣きそうだった」と2人とも感動していました。
僕も今回が初めての即身仏との対面で、あくまで一人の人間として存在している雰囲気があり、言葉には表せないような荘厳さを感じました。
・・・
その後遊佐へ移動し、商業施設エルパ内で営業する喫茶灯(ともる)へ。
2人は、「おしゃべり好き」という店主・阿部さんやその場に居合わせた人たちと会話をして、「否定がない」コミュニケーションの雰囲気に感銘を受けた様子でした。

前職の同僚と遊佐の友人が会話している光景は不思議で、言葉では言い表せない嬉しい気持ちになりました。
灯の次は、牛渡川・丸池様へ。
牛渡川の水の透明度の高さに驚きつつ、実際に触ってみて「やわらかい気がする」と、とても鋭敏に水を感じていました。

丸池様へ移動中に小雨が降ってきましたが、その分一段と神秘的な雰囲気になり、「ずっと眺めていられる」と2人はうっとり。
実際にその空間を訪れたからこそ感じられる、心が整うような雰囲気を味わってもらえてよかったです。

続いて鉾立展望台。
まともに立っていられないほどの強風に体を煽られながらも、山と谷の雄大な自然を目の当たりにして、「山かっこいい~」と連発して興奮気味の様子でした。

山を降りたあとは釜磯海岸へ。
ねらい通りちょうど夕陽のいい時間帯に訪れることができ、去年僕が感動した夕陽の景色を、2人にもたっぷりと味わってもらえました。

夕日のいいタイミング!

水の湧き出し口に手を突っ込んでみたり
その後は、とりみ亭で夕食をとり、あぽんで温泉に浸かり、夜は永泉寺へ。
荷物を置いてすぐに、40分の坐禅体験が始まります。

禅式の立ち方や坐禅の座り方、呼吸の仕方などについて、住職の熊谷さんのちょっと笑える小話も交えながら説明を受けてから、いざ坐禅。
ずっと坐禅をしてみたかったということで2人とも非常に満足してくれ、「身体は一日の疲れがあるのに頭がすっきりしている」と坐禅の効果を感じていました。

【2日目】
翌朝、6時から坐禅とお寺の掃除をし、朝食をいただいて永泉寺を出発。
午前中は、胴腹滝、一ノ滝、二ノ滝を巡りました。
2人とも各所で流れ落ちる水に見入っていた中、特に二ノ滝での体験が印象的なものに。
「途中で心が折れそうになった」と2人が漏らしたほどの山道を進んでたどり着いた二ノ滝。
到着時は空が曇っていましたが、なんと数分した頃に雲が晴れて青空が出現!
日の差し方がイイ感じ!
頑張って山を登ったご褒美ですね♪
すると、水に足をつけてみたいと1人が裸足になり、つられてもう1人も僕も裸足になって、水に足をつけてみました。
それがとっても良くて!

普段裸足で地球を感じることがほとんどないので、足の裏から伝わる岩のごつごつ感や水の冷たさが新鮮で、3人とも自然と無邪気な笑顔になり、童心にかえってその時間を楽しんでいました。

※二ノ滝の滝つぼから始まる水辺は親水地として整備された場所ではありません。橋から外れて水辺に降りる場合は、ご自身の判断のもと、安全面に十分にご配慮ください。
お昼ご飯は、「農家レストラン小田原」で。

干してあるニンニクは、食べるだけでなくそのまま次のニンニクの種にもなるのだそう

農業体験ということで、ぶどう狩りをさせていただきました!
山形の秋と言えば!の芋煮をメインに、お庭でとれた野菜の揚げびたしに自家製のお米。白玉粉を使って味噌に絶妙な弾力を出しているしそ巻、パプリカの炒め物などのおかず、デザートには自分たちで収穫したばかりのぶどう、さらにはいちじくのコンポートまで…。
遊佐の味覚をこれでもかと味わい尽くしました。

芋煮に興奮気味の2人

揚げ浸しが最高に美味しかったです🤤
美味しいお料理と楽しいお話で、2人はすっかり小田原さんのファンに!
最後にパプリカのおすそ分けと草団子のおみやげをいただき、名残惜しさが残る中、農家レストランを後にしました。

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いなほ12号に乗るため酒田駅へ向かう道すがら、稲穂がたわわに実る田んぼと鳥海山の風景がとても美しく、足を止めて写真をパシャリ。

この時に2人が口にしてくれた「総じて遊佐最高だった!」「絶対また来たい!」という言葉が、今回の旅の一番の収穫でした。
┃立ち止まれた2日間
2人がこんなにも遊佐を満喫できた背景はなんだったのか。
旅の感想を聞く中で見えてきたことがあります。
それは、「立ち止まれた」ということが2人にとってとても重要だったということです。

永泉寺での朝の掃除の後、ゆっくり語らう2人
冒頭で触れたように、日々「死にそう」になりながらバリバリ仕事をしている2人。
休日でも、常に何か“生産的”なことをしていなければ置いていかれてしまうような不安感がついてまわるという話をしてくれました。
(僕自身もそうした働き方をしていたので、感覚は非常によくわかります。)
そんな中、遊佐の雄大な自然や、生活を楽しんでいる遊佐の人々に出会い、日々忙しなく回り続ける思考を止めて立ち止まることができた。
そんな体験が、2人の心を深く潤したのだということを感じました。
┃東京に帰ってからも続く“遊佐モード”
さらに、旅のあとも、2人からうれしい連絡が次々と届きました。
1人は、「遊佐の人の愛に触れて大好きになった」とSNSで投稿してくれたり、出会った人に手紙を書きたいと連絡してくれたり。
もう1人も、LINEのホーム画面を遊佐の風景に変更してくれていたり、家で坐禅を実践していたり、「今度は普段の遊佐の暮らしにも混ざりたい!」と言ってくれていたり。
次につながりそうな反応が二人からあり、今回、2人を遊佐に連れてきてよかったなととても感じています。
┃おわりに
今回の旅は、ただ観光スポットを巡るだけではなく、2人が遊佐の人や自然と直接触れ合い、心をゆるめる時間になったと思います。
遊佐の日常は、特別な何かをしなくても人の心に余白をくれる場所。
読んでくださったみなさんも、ぜひ一度、遊佐の日常を味わいに来てください!
(文・写真:白井駿平)