曇り&雨の日の鳥海山登山

2022-08-31

/ by kaori

 

8/20(土)に、「鳥海山7合目横断トレッキング」 の登山ツアーが遊佐鳥海観光協会の主催で行われました。

 

横断トレッキング、これは気になる行ってみたい!と参加しましたが(去年はコロナ禍のため中止だったので、1年越しの意気込みです)、

今回は、残念ながらルート途中からの悪天候の為、横断コースは中止となり、御浜小屋までのコースでした。

 

登山開始時は曇り空だったのですが、だんだんと風が出てきて御浜小屋周辺では強風に。下山時にはだんだんと雨が降ってきて、登山口に着いた時には本格的な降雨でした。

 

そんな中でしたが、ガイドさんのお話もあり、曇り&雨の日のトレッキングも安全に配慮し、楽しく登山をするといういい経験となりました。雨風に慣れておくと、いざという時にあわてずにすみます。

天候が良ければ、「鉾立口 ~ 賽ノ河原 ~ 御浜小屋 ~ 千畳ヶ原 ~ 幸治郎沢 ~ 河原宿 ~ 滝ノ小屋 ~ 湯ノ台口」という7合目横断コース(難易度 上級)を行く予定でした。

 

御浜小屋まで登り、鳥海湖を眺めながら千畳ヶ原まで下ると、一面に広がる草原を楽しめます。そして幸治郎沢を登り、河原宿までの草原を進み、湯ノ台口まで下山。という、この時期は秋の高山植物も楽しめる充実のコースです。

また来年の開催を楽しみに。無事に催行されますように。

当日の朝、月光川からの眺めです。がっつりお山は雲の中。上はどうなっているのでしょうか?山の天気予報は、曇りのち雨となっていました。

大平山荘」までやってきました(4合目 標高1,000m)。

ここもお山はガス(霧)の中でした。トイレ休憩をし、お弁当を受け取ります。昼食にお弁当付き♪のツアーです。

秋田県境を越え、「鉾立口」に到着です(5合目 標高1,150m)。

さっきよりガスが迫ってきている~。軽くストレッチをします。

 

ここでガイドさん情報!晴れの日よりも装備は万全に!

雲行きが怪しく、天気が心配される場合は、あらかじめ上着やレインウェア、ザックカバーを、ザックの上部や取り出しやすい所にしまっておくといいそうです!

そうすると雨が降った時などに、すぐに着ることができます。上着を探している間に雨に当たる時間も少なくすむそう。確かに上着は一番下に入れるので、取り出すのに時間がかかりますよね。

 

また、ザックカバーで安心と思っていましたが、万全ではないとのこと。濡れないように防水のインナーバックやビニール袋などに入れておくと良いそうです!

知らなかった・・・ザックカバーで背中部分はカバーできないので、そこからの雨は防げないそう。そういえば、中身が湿っていることがよくありました。濡れてはいけない大切なものは気を付けましょう。

 

そして、メガネの方は要注意です!曇って見えない状態になることも。

いよいよ出発です。密を避けるため3班に分かれてレッツゴー。

本日は曇りなので景色の写真はちょっと残念ですが、花の百名山「鳥海山」の高山植物のお花たちでお楽しみください。秋色になってきましたよ~。

晴れの日よりも、緑が濃く生き生きとしていいですよね。また、ガスで幻想的な風景が見れます。

入口からさっそくお花たちが。キク科の花(名前なんだろ?)とゲンノショウコ

バッタもいました!ヤマホタルブクロ、くるんとしていてかわいいですよね。

ヨツバヒヨドリ、ミヤマカラマツ どちらも細かい花がかわいい

ミヤマホツツジ、マルバキンレイカ

ヒメキンミズヒキ、ミヤマアキノキリンソウ

マイヅルソウの実、ヤマハハコ (ピンクの花はネジバナ)

ブナの実、タムシバの実(これから赤くなる)

奈曽渓谷がかろうじて見えます、頂上はガスの中ですね。

ちなみに、ガスが無ければこんな感じで見えます。頂上は写真右上です。

コンクリートの道から一部木道の道へ。まだまだお花が沢山迎えてくれますよ。

アキカラマツ、ハクサンシャジン

オオカメノキの実、ミヤマトウキの実

ミヤマナラのどんぐりがなっていました!ミズキにも実が。

石の階段が始まり、本格的な登りになってきます。

ナナカマドの実が色付いてきていました。ノリウツギの白い花の色もちょっと秋色に。

オンタデ、ミヤマトウキ

秋田県側のふもとのにかほ市が見えます。ガスが風に乗ってやってきて、すぐに見えなくなりました。

登山道の両脇にミヤマアキノキリンソウが。登りが続く道中で元気づけられます。

アカモノ、エゾシオガマ

標高が上がるにつれ、花の種類も変わってきました。

タチギボウシ、オヤマリンドウ どちらも秋の気配を感じる花ですね!

シロバアトウチソウ、ネバノギラン

登る中で、ちょっと平らな石畳の道になるとホッとします。

ベニバナイチゴの実、チングルマ(花が終わった後の穂)

チョウカイアザミ(鳥海山固有種)、ニッコウキスゲ

右の斜面にニッコウキスゲがちらほらと。ガスが濃くなってきました。雲の中に突入という感じです。

この辺りにも咲いていました。

マルバシモツケ、イワイチョウ

賽の河原」(6合目 標高1,530m)に到着です。

開けた所で景色が良い休憩スポットなのですが、ガッスガスでもはやどの辺すらかもわかならい。

風も出てきたので、もう少し進むと両側に笹があり風が防げるとのことでそこで休憩をしました。

ガスが無い時はこんな感じで景色が見渡せます。

視界が悪いなあと思ったら、まつ毛に水滴がついていました。前髪も濡れて、先程のチングルマの穂の様に。メガネも曇ってました。

キンコウカ、イワショウブ

ウメバチソウ、ハクサンフウロ

もうかなり視界が利かない状況です。まさに雲の中ですね。最後の登りをレッツゴー。

御浜小屋」に到着です(7合目 標高1,700m)。

鳥海湖が見える休憩スポットになっています。公衆トイレ(チップ制)あり。

 

ガイドさんによると、ここは風の通り道とのこと。何もさえぎる物が無いので、もう御浜小屋周辺では強風に!

写真では伝わりませんが、物凄い風が吹きつけています!風の当たらない小屋の周辺に避難です。

ガスが無ければ頂上が見えます。(写真は少し雲に隠れてますが)

鳥海湖もガスの中でした。強風と共に、雨がポツポツと降りだしてきました。

強風体験ということで少しいましたが、すぐに限界を感じて小屋付近に戻ります。あまりにも凄い風なので身の危険を感じる程でした。

ガスの無い時は鳥海湖が見えます。

 

しばし休憩を取り、下山開始です。だんだんと雨が降ってきて、登山口に着いた時には本格的なザーザー降りとなっていました。そのため下山の写真は一枚も撮れず。(雨に弱い一眼レフちゃん)

 

ここでガイドさん情報!

ただでさえ滑りやすい下り。雨で視界も悪くなり、足元がさらに滑りやすくなるので、一歩一歩をより慎重に、いつも以上に注意をしながら下山します。

また体が冷えないように、休憩時間はなるべく短くします。

 

雨の日の登山は、晴れの日より注意力も体力も必要になってきます。安全に無理なく行動することが第一ですね。

「鉾立口」に戻ってきました。(土砂降りの雨~!でしたので、写真は別日のもの。)

 

「秋田県営の鉾立ビジターセンター」で、昼食休憩&ガイドさんのレクチャーがありました。

今年の4月にリニューアルオープン。鳥海山の火山の歴史や自然についての展示が見れます。鳥海山・飛島ジオパークの紹介コーナーも。

(鉾立ビジターセンター:営業時間 9:00~16:30、入館料無料)

標高によって異なる植生の展示コーナー

 

ガイドさんによると、他の山には針葉樹林帯があって、森林限界となるのですが(中部山岳では標高2500 m付近)、

鳥海山は雪が多いため、多雪に弱い針葉樹林帯がなく、すぐに森林限界となります(鳥海山は標高1200 m付近)。

その分、他の山より低い標高で視界が開け、高山植物の花々が楽しめるということです。

なるほど、ちょっと得した気分ですね。

鳥海山の立体模型にて、本日のルートの説明。行くはずだった横断ルートの解説も。

立体模型、いいですね!家に欲しいです。

 

雨の中での下山となりましたが、行きでは様々な高山植物の花たちを見ることができました。

初めて見る花もあり、鳥海山の花の多さに驚きです!時期によって咲く花が違って楽しめますね。まだ知らない花が沢山ありそうです。

 

無事に下山することができ何よりです。観光協会、ガイドの皆さんありがとうございました。

機会があったら是非、鳥海山を楽しんでみて下さいね!装備、準備は万全で!

ウゴアザミとアゲハチョウ

鳥海山鉾立口登山口

  • 住所
  • 鳥海ブルーライン 鉾立口(5合目 標高1,150m)
  • 駐車場
  • 約300台
  • アクセス
  • 鳥海ブルーライン入口から車で約25分