一人でも楽しむうどんのあんかけの祝福レシピ
はじめまして!
9月に遊佐町地域おこし協力隊に就任しました、トミーこと、早坂豊美です。
普段は水循環保全の啓発というミッションのもと、写真のようにいろんな水源に行き、採水したり、記録を取ったりしています。
9月に遊佐町へ移住し、一人暮らしを始めた私。最近、食生活が偏りがちだと感じていました。
そんなときに、食生活を見直すチャンスだと思い、遊佐地域づくり協議会が主催する「食に関する健康教室」に参加しました。
会場は、生涯学習センターの2階調理室。しばらくすると、ピンクのエプロンと三角巾を着用したお母さん方が調理室から次々と登場。
その方々は「ヘルスメイト」と呼ばれる、遊佐町の食生活改善推進員の皆さんでした。
ヘルスメイトさんたちは、地域全体で健康的な食習慣を広める活動をしているそうです。その皆さんと一緒に、献立を楽しく作ります!
会場では、参加者全員に「大商金山牧場」さん提供の肉の部位資料と、当日の献立レシピが配布されました。
今回使用する豚肉は、大商金山牧場さんからご提供いただいたものとのこと。
本日の献立のテーマは「ゆざごっつお」!
うどんのあんかけは、地元新庄には無かった料理。遊佐のお祝いの席などで食べられる料理という事で食べるのが楽しみ!!!
他にも旬の野菜、菊です!古くから愛されてきた伝統野菜。栽培の歴史は江戸時代からとも言われています。
もともと観賞用だった菊を食用に改良、選抜したもので、苦みが少なく、酢の物やおひたしにしてよく食べます。
10月から12月が旬にあたります。最上地方ではよく茹でて冷凍して冬の保存食にしています。
遊佐でも、鰹節と味噌と交ぜ保存食にしていると聞きました。
菊を食べる文化は、特に新潟と山形。美味しいから他の地域でも食べればいいのに。
【メニュー】
鮭とうどんのあんかけ 遊佐のお祝い事には欠かせない。旬の鮭が添えられ季節感も楽しめる一品
野菜の肉巻き 大商金山牧場のロース肉を使用
小松菜と菊の和え物 旬の菊をたっぷり使う副菜
小豆ごはん 恵比寿様のお膳に欠かさずお供えする行事食。
(赤飯と似ていますが、蒸さずに炊飯器で作ります。もち米とうるち米の割合が違うのかな?) 菊味噌 菊の保存食として活用してきた一品
(茹でた菊と味噌を混ぜ合わせたもの。そのまま食べず に味噌汁やおにぎりの味付けなどで使うそう。)
料理教室のスタートは、遊佐地域づくり協議会会長で庄内浜文化伝道師でもある佐藤憲三さんの鮭の解体ショー!
山形県内でとれる鮭のうち約9割が遡上する遊佐町ですが、近年は遡上数が減っていて今シーズンも少ない中、遊佐町の鮭を味わってほしいと佐藤会長が準備してくれました。
鮭の解体を初めてみましたが、遊佐の鮭は最上地方の鮭川まで遡上してくる鮭とは全く違い、形状も色合いも綺麗でした。
佐藤会長の捌きは慎重かつ丁寧で職人技を間近で見る事が出来ました。
鮭の解体ショーを見学した後、いよいよ調理実習が始まりました!
参加者とヘルスメイトさんが混ざり合い、4つの班に分かれて各テーブルに配置されます。
私は、中吉出区長の佐藤さんと地域づくり協議会事務局長の工藤さんと一緒に、1班に配属されました。
地域のリーダーたちと一緒に料理をするという機会に、ドキドキとワクワクをを感じながら調理に取り組みました。
まずは下ごしらえからスタート。最初の作業は菊の処理です。私が産まれた新庄市では食用菊は茹でて冷凍して冬の保存食としていました。
遊佐でも保存食としてよく食べられていると聞き、同じところもあるんだなぁと嬉しくなりました。
この量の菊は、小松菜と菊の和え物用、菊味噌両方の分の菊。
ヘルスメイトさんに教わりながら、周りの花びら部分を丁寧に取り分けていきます。真ん中の部分は食べられないため、捨てるようにとのこと。
初めての作業に少し戸惑いながらも、コツをつかむと楽しくなってきました。
菊の次は肉巻きに使う野菜、うどんのあんかけ用のうどんなど、どんどん準備が進みました。
うどんのあんかけ用のあんを作る際のコツは、ひたすら同じ方向に混ぜ続けることだそうです。
「火を止めても混ぜる手を止めないこと!」というのがポイント。(ちなみにこれは、隣の班からの情報!技は盗みます!)
そうしないと、すぐにとろみが緩んでしまうのだとか。ちなみにあんは、醤油ベースに砂糖を足した甘めの味付けです。
調理はそろそろ終盤。肉巻きを焼き、たれを絡める作業が続きます。
その間に、あんをうどんにかけ、鮭を添えました。小松菜と菊の和え物も添え、菊味噌はお湯でといて味噌汁に。
炊飯器には小豆ご飯も完成しました。皆さんと協力して、艶々のうどんのあんかけが仕上がりました。見た目も完璧!美味しそう!!
「皆さん、そろっていただきまーす!!!」という声とともに、全員で食卓を囲みました。
美味しそうな匂いが漂い、楽しみにしていたランチタイムがスタートです。おしゃべりと笑顔が広がる中、みんなで料理を楽しみながら、素敵なひと時を過ごしました。
参加してみて、最初は緊張と期待でいっぱいでしたが、ヘルスメイトさんの中にご近所のお母さんがいて、すぐにリラックスできました。
教室の雰囲気は明るく、参加者もヘルスメイトさんも和気あいあいとした関係が築かれていて、すぐに打ち解けることができました。
私も気さくに話しかけて貰ったり、褒めてもらったりと居心地の良い時間を過ごせました。
普段は一人暮らしで、好き嫌いを怒られないため好きなものばかり食べたり、品数を多く作らないので炭水化物寄りが多かったり同じものばかり食べたり…と栄養が偏っていました。
こうして健康教室で料理を学び、栄養バランスの大事さ、そして意外にも大事に思えたのが食事にまつわる感想を話したり、相手のお話を聞いたりする会話力も食事としての大事な学びだと思いました。
一日30品目食べるのはハードルが高いですが、旬のものを食べたり栄養バランスには気を付けて食事を楽しもうと思います。