TOMMYFARM始めます⁉
こんにちは、トミーです。
地域おこし協力隊として湧水調査に取り組む前は、東京ドーム約4.5個分(約207,900㎡)の広大な圃場で、約10年間、米作りを中心にキャベツやカボチャの栽培・出荷に携わってきました。季節の変化や天候と向き合いながら、毎日土に手を入れる日々。「farmer」として過ごしたその時間は、自分の原点でもあります。
未来が芽吹く⁉

移住して初めて迎えた春。自然豊かなこの町で、湧水や水の流れと向き合う日々の中に、
かつて土と生きていた頃の感覚がじわりと蘇ってきました。
やっぱり、また土に触れたい。体を動かして、季節の変化を肌で感じたい。そんな思いがどんどん膨らんで――
気づけば、いろんなことが重なって、最終的に「畑でもやってみるか」と思い立ちました。
草を刈って、自分の手で土を耕し、種をまく。シンプルだけど、今の自分にはとても大きな一歩です。
人との出会い、地域の暮らしの中での気づき、水との向き合いが、
また私を土へと導いてくれたのかもしれません。
これからはこの畑で、野菜を育てながら、自然や水、そして地域とのつながりを、
もっと深く感じていきたいと思っています。
開墾当日:汗と笑顔と

約束の日――午前9時。
膝丈ほどに伸び放題の緑の絨毯を前に、草刈り機を手に構えます。
風はまだ冷たいけれど、春の日差しが背中をじんわりと温めてくれる。
小鳥のさえずりと、刈り払う音だけが響き渡るこの時間は、まるで心が洗われていくそんな感覚に包まれます。
この場には、もうひとり。
地元の大先輩であり、私が勝手に“師匠”と呼んで慕っている方です。
師匠とは、地域のあちこちで顔を合わせるうちに言葉を交わすようになり、
気づけば畑づくりの話で盛り上がっていました。
「やってみっか」と笑いながら軽トラを出してくれた師匠は、
道具の扱いから土の見方まで、ひとつひとつ惜しみなく教えてくれます。
無言で並んで草を刈りながらも、心のどこかに安心感があって、どこか懐かしい。
言葉は少なくても、土に向き合う背中から伝わるものがたくさんあります。
この土地に暮らす人の知恵とまなざしに触れながら、「またここで、1から始めよう」と静かに思えた朝でした。
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作業中のひとコマ
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互いに声を掛け合いながらの草刈り
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刈り取った草で地面が見える瞬間の達成感
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土の匂いと、かすかな湿気
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そして、途中でひと息。
「はい、冷たいのでも飲も」と、師匠から差し入れをいただきました。
渡されたドリンクとアイスの冷たさが、作業で火照った身体にじんわり染みわたっていきます。
思わず目を細めて「うまいなあ」とつぶやくと、師匠がニッと笑う――
そんな何気ないやりとりが、たまらなくうれしい。
この土地の優しさが、こうしてじんわりと伝わってきます。
「さあ、もうひと踏ん張り!」
甘さと冷たさで元気をチャージして、草刈り機のスイッチをもう一度押しました。
ここから始まる畑づくり。少しずつだけど、確かに一歩ずつ、前に進んでいます。
開墾完了!

お昼前、ついに畑は見事に“更地”状態に。
「終わったー!」二人とも大きく深呼吸し、汗ばむ額をぬぐいました。
あらためて土と向き合う時間の尊さを感じました。
たった数時間の作業でも、自然の中で身体を動かし、風を感じ、土の匂いに包まれていると、
自分の中の“農スイッチ”がしっかりと入ってくるのを実感します。
畑はまだ何も植わっていないけれど、ここにはもうすでに未来が芽吹いている気がしました。
おわりに……
久しぶりの開墾作業は、身体はクタクタでも心は最高にリフレッシュできるひとときでした。
これからTommyfarmの新たな挑戦が始まります。
草原から畑へ、生い茂った雑草の下には新しい生命が息づいている――
そんなワクワクを、皆さんと一緒に味わっていけたら嬉しいです!
これからこの畑で、何を育てようか。
まずは土づくりから始めて、湧水で育てる野菜やハーブもいいかもしれません。
水出しコーヒーにも使えるきれいな水が豊富な地ですから、
Tommyfarmならではの“水と野菜のマリアージュ”を追究していきたいと思います。
次回は、土づくりのプロセスや初夏の作付けの様子をレポートします。お楽しみに!
――Tommy Farm 里山からの便り―― by トミー