サクラマスと夢のスタートライン

2025-07-07

/ by toyomi

最近は、湧水ハンターとして町内を駆け巡り、日焼けしているトミーです。
日中は気温が32度にまで上がる日もある遊佐町。
照りつける日差しに、「もう少し雨がほしい…」と、空を仰ぐ毎日です。

そんな中、6月21日に第2回目となる「わらびっこ探偵団」が開催されました。

この日の空は晴れ。子どもたちは学年ごとに整列して、日向川へ元気よく歩いて出発。
道すがら地域の方々が笑顔で声をかけてくださり、温かな交流の中で川へと向かいました。

河原に着くと、迎えてくれたのは地域の環境活動を行う「蕨岡ダンディーズクラブ」の皆さん。
阿部さんが、サクラマスの特徴や生態についてミニ講話をしてくれました。

「サクラマスは、生まれた川の匂いを覚えて、数年後にまたこの川に戻ってくるんだよ。」

子どもたちは、その言葉に目を輝かせながら耳を傾けていました。
ただ魚を放つのではなく、「帰ってくる命を送り出す」ということの意味を、少しずつ感じているようでした。

いよいよ放流の時間。昨年7月の大雨で川の流れが変わっていたため、今年は例年とは異なる場所での放流となりました。
サクラマスの提供は、内水面水産センターからです。
大人たちがバケツリレーで運んだ、去年よりも少し大きなサクラマスを、子どもたち一人ずつに手渡されます。

「いってらっしゃーい!」
「大きくなって、また帰ってきてね!」

それぞれの言葉と願いを込めて、水の中へと魚を送り出します。
バケツを一気に傾けて放流する姿はほとんど見られず、多くの子が一匹ずつ、丁寧に放す姿が印象的でした。
命と向き合う気持ちが、確かに子どもたちの中に根づいているように感じられました。

放流の後、スタッフの1人が川に入って撮影をしていたのを見た子どもたちが、「入りたい!」と次々に靴を脱ぎ出し、小さな水遊びタイムに突入!


川の冷たい水に歓声を上げながら、自然の中でのびのびと体を動かす時間は、何ものにも代えがたい経験です。

放流をサポートしてくださった蕨岡ダンディーズクラブの皆さんに元気よく「ありがとうございました!」とお礼を伝え、子どもたちは再び歩いてまちセンへと戻っていきました。

この放流体験を通して思い出されたのが、少し前に参加した枡川鮭人工ふ化場での稚魚放流会でのことです。


そのとき、枡川鮭漁業生産組合の尾形修一郎さんが語ってくれた話が、今も心に深く残っています。
https://yuzamachi.com/yamaasobi/samonnretanzu2/2025/04/10/

「命を扱うということは、深い責任が伴う。」
その言葉の意味を、小さな体で感じ取ってくれた子どもたちの姿に、
この体験が未来へつながる一歩になることを、心から願います。     by  トミー