来ちゃいなよ。ゆざまち

シゲタの、勝手に【遊佐の匠シリーズ】第一弾!

2021-03-03

/ by shige

お久しぶりの投稿となります、協力隊のシゲタです。

2021年ももう2か月が過ぎ去りました・・・陽気な小春日和が待ち遠しい今日この頃です。

新年度ももうすぐそこですが、私が協力隊としてやりたかった活動の一つが新年度を前に動き出したのでご紹介させて頂ければと思います!

 

遊佐町の魅力的な自然や食は、もうすでに沢山発信され浸透していると思います。

そこで敢えて、あまり特集されていなかったであろう遊佐の大切なソフト面である“遊佐の人”にスポットを当てたいと思うようになりました。

 

守り続けるべき技術や文化。

自然環境や食だけではなく、遊佐町はこんな魅力的な“匠の人”達がいる場所だという事。

自然・食の「遊佐町の外見」、人間という「遊佐町の内面」の両面をアピールして、遊佐町内外のより多くの方々に“遊佐”をより身近に感じて欲しい。行ってみたい!住んでみたい!と思ってもらいたい。という想いと願いを込め、勝手にこの【遊佐町の匠シリーズ】を始めてみました!!

 

 

遊佐の匠シリーズ第一弾!

遊佐町ふるさと納税返礼品としても取り扱いのある【福増建具店】さんへ取材させて頂きました。

 

実は取材直前、偶然にも我が家のテーブルをリペアして頂いた建具屋さんというご縁もあり、取材をお願いしました。そのテーブルは、私の祖父が戦後日本へ戻って来る際、なんでかケヤキの一枚板を持ち帰り、それを120cmサイズ程の円形座卓として長年使っているテーブルでした。

私が生まれる前から使用しており、物心ついた頃も大家族の食卓として日々共に過ごしてくれました。我が家の様々な家族模様を見届けてくれた大切なテーブル・・・いつの間にか雑に倉庫にしまわれたまま眠っており、しまいには父から捨てられる寸前という扱いでした!ひどい!!笑

 

いつかUターンしたら綺麗に磨いて自分で使いたい!と思い続け、ついに福増建具店さんから再びテーブルに息を吹き込んでもらいました。リペア前の写真がないのが悔しい!!と思ったくらい本当に綺麗になり、仕上がりを見て「これから私が大切に使うよぉ~~」と思わず家でナデナデしておりました。笑

そのテーブルがこちら。

 

ただピカピカにしてくれたのではなく、しっかりと木目もわかるように渋い色合いにして下さいました。

 

小さい頃このテーブルで、ピィ~~っと鳴るカエルの椅子に座ってご飯を食べ、私を挟んで母親と姉のバトルが始まったり、このテーブルの下で手に握りしめていたシュークリームをネコに奪われたりと、様々な思い出が蘇りました!思い出話に付き合って頂きありがとうございました。笑

 

そして、このテーブルに息を吹き込んでくれた匠たちはこちら↓↓↓

上から、福増建具店・代表の髙橋岸夫さん、亘さん、阿曽美喜さんです。

 

この雄大な鳥海山が見える最高のロケーション地で、日々作品が生まれています。

 

代表の岸夫さんは、15歳から建具職人の修行を始め25歳で独立、40年以上もの間この地で木と向き合ってきた方です。作業場は木の香りで満たされており、私は幸せな気分でした。

お出迎えしてくれたのはマッシュ姐さん。ツンデレ美人ネコちゃんです。

 

私はレコード屋を思い出してしてしまいましたが、これは木材の種類によって使い分けをしている電動ノコギリなどの刃です。

 

使い込まれたノミの数々。この道具一本一本を使いこなせるようになるには、一体何年掛かるのだろう・・・

 

撮影しながら自分の修行時代の事とか色々想像していたら、亘さんがいつの間にか手際よく扉一枚仕上げていらっしゃいました!

高校を卒業してすぐ、お父様である岸夫さんのもとで建具の技術を身につけた建具職人の貴重な後継者のお方です。

 

釘は一切使わない、一寸の狂いのない技術で作られたホゾと穴と呼ばれる接続部分だけで組み立てられます。

良い笑顔!

 

現在は機械化がだいぶ進み楽になった部分もありつつ、やはり人間の技術には敵わないのだろうと言わざるを得ない、思わず驚きの声を上げてしまった鳥海組子の作品がこちら。

 

北前船が描かれている鳥海組子の作品です。帆の部分までの全体像をお見せしたかったのですが、大人の事情でお見せできず・・・悪しからず。大きさは縦130~140cmくらいの大きさ(私の勝手な目測)で、とても迫力のあるものでした。

大小様々な大きさのチップのようなものをピンセットではめ込み、組み合わせて、の繰り返しです。

 

緻密なデザインや技術もそうですが、組子の色にも注目して頂きたく・・・

これは色を塗ったのではなく、全て天然の無垢の木材の色となります。木の種類によって色の違いが生じますが、例えば同じ杉の木でも、国など育った地域や環境によって色が異なるそうです。「生育地で見た目と中身が違うのは人間も一緒だろ?!木も一緒だ!!」と岸夫さん。確かに!と納得でした。

絵柄に合わせた色の木材を選び、パーツを作って組み立てていく・・・集中力と忍耐力がないと絶対無理!な作業でした。

 

鳥海組子とは、木材を縦横のみの組み合わせによって模様を表現し遊佐の建具店で作られた組子の事を言うそうです。ちょっとのズレも許されない、まさに匠の技です。正確性が求められますね・・・また言いますが、やはり私には無理かもしれません。笑

 

岸夫さん監修のもと、亘さん含めみんなで分業して制作しているのですが、デザイン・制作の中心は美喜さんです。もともとデザインの仕事をされていた美喜さん。遊佐に嫁いだのがきっかけで、縁あって福増建具店で働くようになったそうです。組子に魅了され、なんといつの間にか建具職人さんになっていたという!!

 

努力をきちっとすれば、結果は必ずついてくる。と技術を持って示してくれた気がしました。技術は嘘をつかないな・・・と。

建具の大会で、数々の賞を受賞されていますが、やっぱり内閣総理大臣賞が欲しい!!とニッコリしながら沸々と闘志を燃やしている代表の岸夫さんでした!岸夫さんの木に対する想いや作品制作に対する意欲が私をも刺激して、なんだか私もメラメラとしておりました!笑

 

取材当日、珍しく鳥海山が新山までくっきりと顔を出してくれておりました。せっかくなので、匠の皆さんで記念に一枚!この3人の笑顔と同じく、とても暖かい楽しい雰囲気で撮影させて頂きました。

 

誰もが想像していなかったこの未曽有の世の中、イベントもことごとく中止になり様々な制限がある中で「協力隊として今の自分は何が出来るのか?誰もが知っている観光地をただ発信していても、今までと同じ事を繰り返しているような気がする・・・ならば、自分の本業でもある撮影の技術を生かして遊佐の匠を撮ろう!そしてそれを発信しよう!」と思いつきました。私自身も写真というモノづくりをしている一人の人間として“遊佐の匠”の皆さんと対峙し、皆さんの魅力の力をお借りして遊佐町を少しでも盛り上げアピールしていきたいと思っております。

第何弾まで続けられるかわかりませんが・・・”継続は力なり”という言葉を信じて取材と撮影を続けていきたいです!

メラメラ