来ちゃいなよ。ゆざまち

旅立ちの春

2020-03-25

/ by akira

 

今までにない暖冬でしたが、みなさんはどんな冬をすごしましたか?

 

3月も下旬になり、進学や就職で新たな進路へ向かうお子さんもたくさんいるんでしょうね。

 

遊佐町でも、たくさんのこどもたちが旅立ちました。

 

どこへって?

 

海へです!

 

というわけで今回は、以前ご紹介した「今回は卵のおはなし!!」のその後のお話です。

 

 

大きくなって遊佐町まで戻ってきてくれた鮭たち。

 

その大きさと元気さにはいつも驚かされます。

もちろん美味しくいただいてますが、捌くときなんかは、なんかジビエみたいな感覚。

 

 

そんな鮭たちの卵はとってもきれい!

で、この卵に受精させるまでは以前の記事で紹介してましたよね。

 

今回はここからです!

 

受精までの段階を終えた卵たちは、急いで急いで、とにかく急いで孵化場へ連れていきます。

 

 

孵化場に行くと、遊佐町の恵みである綺麗な湧き水の中でしばらく過ごすんですね~。

 

冷たくてきれい水が絶えず流れ続けるような環境じゃないと卵にカビが生えてしまったりするそうです。

 

湧水の存在がどれだけ大事かがわかりますね。

 

ありがとう鳥海山!!

 

きれいな水の中で寝ていた卵たちもしばらくすると発眼し、卵を破って出てきた赤ちゃんたちの姿を見ることができるようになります。

 

 

卵や生まれたばかりの頃は暗くしておく時期だそうですが、ちょっとだけその姿を見せていただきました!

 

孵化してすぐの稚魚たちのお腹にはヨーサックと呼ばれている成長のための栄養が詰まった袋(卵黄のう)がついてます。

泳ぎが下手でエサなどをうまく食べられない分、栄養補給ができるようになってるんですね。

 

 

成長に合わせ環境もちょっとずつ変えていきます。

 

 

大きくなる分、広い場所が必要になりますからね。

 

それと、改めて驚くのがその水量です。

これだけ大きな施設でも孵化作業を行えるほどの水量ですからね~。

 

2月下旬になり、放流の時期の頃には、所狭しと泳ぎ回ってます。

 

 

人影を感じるとサーっと逃げたり、水面に浮いてる小さな虫たちでも狙っているのか、代わるがわる水面で何かをついばむようなことも。

 

体の模様もとってもきれい!!

 

 

そして、こちらの孵化場では、とっても興味深い取り組みを始めました。

 

 

それが半人工孵化。

 

受精までは人の手でされるんですが、あとは自分たちでがんばれ!ってやつです。

 

 

 

お腹を重そうにしながら、泳いでは休み、また泳いでは休み…としてました。

ちゃんと自分で暗い所や石の陰に隠れたりもしてます。

めんこいですね~。

 

どうやって大きくなってんの?って感じですが、

 

 

鮭の亡骸をパクパク食べてるんです!

 

 

カニとかエビとかと分け合いながらきれいに食べ尽くします!

川の中の小さな幼虫とか虫とかも食べながら大きくなっていくんです!

 

放流された、大きな水槽で育った稚魚たちと合流して、小さい川の中で上流側に行ったり下流側に行ったりしながら遊びまわってるのか、元気に泳ぎまくってます!

「あっちにはこんなんがあるんだよ~っ」とか、「向こうに行ってみようよ~」とか言ってるんですかね~。

 

そんなことしながら、自分たちのペースで下流の方へ行く時期を決め、少しずつ海へ海へと近づいていきます。

 

 

こうして今年もたくさんの鮭の稚魚たちが遊佐町から旅立っていきます。

 

遊佐町を出発した後は北海道の北のオホーツク海へ。

その後はベーリング海とかアラスカ湾とか、わたしたち日本人には馴染みのない遠くの海で過ごしながら、

3~4年ほどで帰って来てくれるはずです。

 

こうしてみると、

海と川はつながってるんだな~ってことも改めてよくわかるし、

育てる環境がいいだけではよくないんだろうなぁ、なんて感じちゃいますね。

 

海全体がきれいじゃないと帰ってくる鮭の数も減っちゃうのかな?

 

川が汚れちゃったら「この川には帰りたくないよ~っ」とかなっちゃうのかな?

 

 

 

何年かして、でっかくなって帰って来るあの子たちからこんな風に遊んでもらえるように、できることからやっていこっと。

 

 

いってらっしゃーい!

 

また会おう!!