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遊佐町民俗芸能公演会

2022-11-17

/ by kaori

 

「遊佐町民俗芸能公演会」が3年ぶりに、規模を縮小してですが開催されました!

毎年10月第4日曜日に行われる、町の伝統芸能が集結する催しなんです。

 

昨年度はYouTube「遊佐町公式チャンネル」にて公開しました。コチラからどうぞ (動画の撮影の様子の記事はコチラからどうぞ

民俗芸能の保存・伝承を図ろうと、昭和35年から開催。近隣市町や県外から、伝承団体を招いて公演をいただいています。

今回は、宮城県大崎市(旧鳴子町と兄弟町)の「鬼首神楽保存会」さんを招待し出演頂きました。

町内からは、「杉沢比山保存会」、「横町神代神楽保存会」、「吹浦田楽保存会」、「蕨岡延年の舞保存会」の皆さんが出演しました。

遊佐町では、地区ごとに特色ある民俗芸能が大切に受け継がれています。子供たちへの伝承活動も行われています。
古代から崇拝されてきた鳥海山のふもとの町。修験道の行事や祭りごとで舞われてきた貴重な民俗芸能があります。

 

それでは、公演の様子をご紹介します!

杉沢地区の『杉沢比山(国指定重要無形民俗文化財)

熊野神社に伝わる番楽※で、もとは修験者が舞っていたといいます。8/6「仕組」、15「本舞」、20「神送り」と、お盆の時期の三晩に舞が奉納されます。

※山伏が伝えた神楽のこと。太平洋側では山伏神楽、日本海側では番楽という。青森、岩手、秋田、山形の修験道の広まった山麓の村々に広く伝わっています。

三番叟」五穀豊穣を祝う舞。拍子が早く、足拍子の動きが大きい。代々少年が舞っている。(他地域の番楽では大人で装束も異なる)

 

舞のほんの一部ですが、動画もご覧ください。リズムに合わせて華麗な足さばきの舞です。

 

杉沢比山の過去記事はコチラからどうぞ

 

吹浦地区の『横町神代神楽(遊佐町指定無形民俗文化財)

吹浦地区横町の諏訪神社神楽殿で、毎年7月の第1土曜日に5つの演目を奉納上演しています。

笛や太鼓・カネに合わせて舞手が独特のセリフ、力強い足運びで舞います。カネはなんと、小学2年生の児童が担当しているそうです。

八幡太郎」平安時代後期、八幡太郎義家(源義家)を将とする官軍が、反乱軍(奥州で朝廷に反旗を翻した安部氏)を征伐する一幕です。

 

八幡太郎義家(源義家)を将とする官軍の登場です(写真)。

反乱軍の安部氏が現れ、対決をします。弓矢や刀での攻防が繰り広げられます。官軍の勝利で幕が下ります。

 

こちらも一部ですが、動画もご覧ください。対決のシーンは迫力があります!

 

横町神代神楽の過去記事はコチラからどうぞ

 

いよいよ招待団体の登場です!宮城県大崎市と遊佐町は兄弟町なんです(旧鳴子町と兄弟町)。

宮城県大崎市鬼首(おにこうべ)地区の『鬼首神楽(大崎市指定無形民俗文化財)

荒雄川神社で、毎年9月9日に奉納の舞が行われます。太鼓と摺鉦(金属製の打楽器)を神楽歌に併せて演奏し、舞い手が独特の節を付けて口上を歌い上げます。

宮城県北部から岩手県南部にかけて伝わる南部神楽の流れをくんでいます。

岩戸入りの巻」神代の時代、弟神の須佐之男命の乱行に耐えかねた天照大神が、天の岩戸に向かう場面の一幕です。猿田彦命が、天照大神、月読命を道案内します。

 

こちらも舞のほんの一部ですが、動画もご覧ください。軽快なリズムの舞で見ごたえあります。

現地公演で見てみたいです!

 

吹浦地区の『吹浦田楽(山形県指定無形民俗文化財)

鳥海山大物忌神社 吹浦口ノ宮で、毎年5月に行われる例大祭で奉納されます。5/4に宵祭、5/5に本祭が行われます。

猿田彦の舞」古い神楽系の舞です。猿田彦の神は天孫降臨の一行を出迎え、道案内した神です。

 

動画でご覧ください。軽快な足さばきに驚きました。

 

諾冊二尊の舞

一人の舞手が二種類の面を交互につけて舞います。

初めの舞は、青色の諾面をつけ、鉾を二本持って舞います。海を鉾でかきまぜて滴り落ちる滴が固まって日本ができたという神代の故事を表します。(写真左)

次の舞は、茶色の冊面に替えて、扇子を持って舞います。耕作や機織りを表す仕草の舞とされています。(写真右)

 

簡略化されているであろう舞で表現しているのがすごいです。

 

吹浦田楽の過去記事はコチラからどうぞ

 

蕨岡地区の『蕨岡延年の舞(山形県指定無形民俗文化財)

鳥海山大物忌神社 蕨岡口ノ宮の神楽殿(国登録有形文化財)で、毎年5月3日に行われる例大祭 大御幣祭※で奉納されます。

※「大御幣祭(だいおんべいさい)」といい、鳥海山蕨岡修験者が修業の最終段階として行った行事です。五穀豊穣と鳥海山の安寧を願い、「大御幣行列」や「蕨岡延年の舞」などが奉納されます。

太平楽」別名”刀の舞”とも言われ、除魔招福の呪法的な舞。狩衣の肩袖をぬぎ、相対して舞います。

入れ違ったり、刀を合わせたり、足拍子も入った舞です。

 

わからないながらも、何か修験道の要素があるのだなあと感じる舞です。

 

陵王」1人の舞手が、共に切り顎の付いた”陵王”と、”納蘇利(なそり)”の面を取り替えて舞う。面が鎌倉期の作とみられ、蕨岡延年の舞は中世の芸能であるといわれています。

よろめきながら舞うので、”ガクタラ舞”ともいう。ヨロヨロしたとか、ちゃんとしないという意味で、”陵王”が爺様、”納蘇利”は婆様の舞と言われている。腰を曲げながら酔態を模し、笑いを招いたものと考えられ、その仕草が珍しいとされている。

 

独特の舞ですね。当時の人々から何百年もの時を越えて伝わっていると思うと感慨深いです。

 

機会があれば、ぜひ現地での公演にもお越し下さいね。来年も無事に開催されますように。